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吊るされた提灯でいつもの暗い海は光り輝く


そんな中、お神輿を担ぎ
掛け声と共に砂浜を回る皆を見ていると




やっぱり一番目に入るのは、他でもない慎








『ね、あの人カッコ良くない?黒髪で、ピアス付けてる前から三番目の人!』








なるべく目につかないように遠くから眺めていると、観光で来ていた女の子達が騒いでいるのが聞こえた


…前から三番目の黒髪ピアスは慎だ


だめだ、妬いてる私






そんな事思いながらぼーっと眺めていると、いつの間にかお神輿を担いで回った慎が帰って来た







慎「A、こんなとこ居たの」


「…お疲れ様」


慎「…うん」








本当は此処へは来ないで欲しかったの


隣から視線を感じて


でも私は素直じゃないから、こんな可愛くない言葉







慎「どした」


「何でもない」








困った顔が目の前にあって、自分が嫌になる








『あ、あの…カッコよかったです!
良かったら、これからお時間ありませんか?』









…ほらね?

私も素直に言ったら良かったのに




後悔しながら、その場を離れようとすると









慎「すみません、先約あるんで」







肩を組まれて、そのまま女の子達からは上手いこと顔が見えないように背を向けて、並んで歩き出す








「別にいいのに行っても」







勝手に溢れ出てくるヤキモチが、どんどん可愛くない言葉を生み出しているのに


はだけた法被の襟から見える胸筋にさえ
ドキドキしてしまう


滴り落ちる汗だって
慎を艶めかすのには十分すぎる材料で








慎「…俺がAと居たいんだから」







そんな事言われて上から顔を覗き込まれると

更に愛おしい気持ちが溢れ出した







「ごめん…ヤキモチ妬いちゃった」


慎「…まじか」


「本当は、今日凄くカッコよかった」









汗を拭いながらも、頰を少しだけ赤くした








慎「Aに言われんの一番嬉しいし、それに…」









法被姿の、いつもと一味違う魅力を持った慎









慎「ヤキモチとか、反則じゃない?」








そう言ってふわっと笑うと


私もつられて笑顔になった









「慎がカッコいいのが悪いと思うけどな…?」


慎「それ以上はダメ」








シー、と唇に指を当てられ胸が高鳴り


浴衣へと衣装を変えた慎にも、更に惹きつけられた






妬いてしまうくらいカッコいい慎と恋人になるのは、これから1ヶ月くらい先の話__




fiesta –fin–

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fever→←fiesta



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MAO - とても素敵なお話で、一気に読めました! (2020年1月11日 22時) (レス) id: 7e55f29c35 (このIDを非表示/違反報告)
- 蘭さん» 楽しみでたまらないです!待ちきれません (2019年8月10日 16時) (レス) id: 772a3fabcd (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ★さん» 物語が思い浮かんだら、再び慎君で書かせて頂こうと思っています!楽しみに待っていて下さったら嬉しいです(^^) (2019年7月19日 0時) (レス) id: 9208e0cc5d (このIDを非表示/違反報告)
- また慎くんで書いてください! (2019年7月15日 21時) (レス) id: b78fe88ec4 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - shyboyz17mさん» 最後まで読んで下さり、こちらこそありがとうございます!すごく嬉しいです泣 (2019年3月25日 23時) (レス) id: 9208e0cc5d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年9月10日 1時

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