69 ページ20
.
.
.
いつも、何一つ彼より上に立ったことが無くて…
少しだけ、意地悪をしてみると、瞬きを何度かした後、再び星を見上げて言う
慎「分かった」
「…」
慎「じゃあ、嫌なら拒んで」
「え…」
湯船の中で私の手の上に手の平を優しく重ねて、もう片方の手で自分の方へと顔を向かせた
本当に、手は添えるだけで、無理矢理引き寄せることはしなくて
ゆっくりと、慎は顔を近付けてくる
おでこが当たるくらいの距離になると、お互いの吐息がかかる程近くて
慎「A…」
甘く、切なく呟くその声に、締め付けられるように胸はきゅぅ、と鳴いて
慎「…好き」
ゆっくりと重ねられた唇は熱を持っていて、溶かされてしまいそうなくらい甘い
下唇をちゅ、と小さく吸い上げて顔を離すと、慎は至近距離でニヤリと妖艶に笑った
慎「…嘘つき」
「ごめん…」
慎「好きでもない奴と
こんな事する女じゃないでしょAは」
「…うん」
慎「何で嘘ついたの？」
「だって…」
慎「ん？」
「いつも、慎ばっかりドキドキさせてくるから…」
慎「………ばーか」
後頭部を持たれて、顔を近付けられたままそう白状すると、そのまま肩に顔を埋められる
慎「…俺がどれだけAに惚れてるか知らない？」
「…分かんない」
慎「俺だってドキドキさせられてんの」
「ほんと？」
慎「ほんと」
「…ふふ笑」
慎「笑うなよ」
肩にもたれかかっている慎の髪の毛をふわりと撫でてあげると、引き寄せられて、耳元へと寄せる顔
慎「…でも、嘘ついたら良くなくない？」
「んっ…ごめ…」
慎「どうしよっか…」
「や…」
慎「A…」
そのまま耳元で、いつもより低く、甘く、わざと脳内に響くように囁く声に、思わず両手は慎の胸元を押す
慎「このまましても良いんだけど…」
「んっ、慎っ…！」
耳をそのまま咥えられてペロリと舐められると、思わず漏れてしまう声
慎は、そのまま私の身体に手を這わせていく
「のぼせちゃうっ…から、…」
慎「ん、…」
そう言っても慎は聞かなくて、段々とキスの雨が身体へと降ってくる
…その瞬間
翔吾「めっちゃええ風呂やなー！」
「…っ！！」
隣の部屋から聞こえる翔吾さんの声
慎は、一瞬動きを止めると
私の目を見てニヤリと妖しく笑った
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1247人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「THERAMPAGE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
MAO - とても素敵なお話で、一気に読めました！ (2020年1月11日 22時) (
レス) id: 7e55f29c35 (このIDを非表示/違反報告)
★ - 蘭さん» 楽しみでたまらないです！待ちきれません (2019年8月10日 16時) (レス) id: 772a3fabcd (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - ★さん» 物語が思い浮かんだら、再び慎君で書かせて頂こうと思っています！楽しみに待っていて下さったら嬉しいです(^^) (2019年7月19日 0時) (レス) id: 9208e0cc5d (このIDを非表示/違反報告)
★ - また慎くんで書いてください！ (2019年7月15日 21時) (レス) id: b78fe88ec4 (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - shyboyz17mさん» 最後まで読んで下さり、こちらこそありがとうございます！すごく嬉しいです泣 (2019年3月25日 23時) (レス) id: 9208e0cc5d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蘭
| 作成日時：2018年9月10日 1時
