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まだ沈まない夕日の光に包まれながら


頰に手を添えたままの慎から目が離せなくて


まるで私達二人しか、この世界に存在していないかのような感覚に陥る











慎「…何も言われないと
だいぶ恥ずかしいんだけど?笑」


「あっ、ごめん!!」


慎「いや笑 …じゃあ帰るかー」


「えっ…」









パッと頰に触れていた手が離れると、背を向けてゆっくりと歩き出す慎









「待って…」








言うだけ言って逃げるなんてずるい


ポケットに手を突っ込んで歩き出す背中に向かって声をかけると、ピタッと止まったまま動かない









「私、海の家に来れて良かったよ
…この夏に慎に出会えて、本当に良かった」









慎は、私の知らない世界を沢山知ってる


いつでも手を差し伸べてくれて


一番に助けてくれるのが慎なんだ









「言いたいことがありすぎて、何て言ったらいいかわかんないんだけど...

あのね、私、慎の事大好きだよ」


慎「.......」


「ずっと、慎と一緒に居たいって思って、私だって、どうしようもないくらい慎の事が好きで...」









あーもう、ぐちゃぐちゃだ


綺麗な言葉で言いたいのに、伝えたい事を伝えられなくて、またじんわりと涙が滲んできた









「...慎、だいすっ!!」









" 大好き "


言い終える前に、慎の香りに包まれた









「まこ...」


慎「無理、我慢してんの」


「え...?」


慎「知ってるよ、俺の事好きなの」


「嘘だ...」


慎「ほんと」









そう言われると、ぎゅーっと少しだけ力を込められて、私も背中に手を回して応えた









慎「直接言われるとどうにかなりそうだから...
...言われる前に帰ろうと思ってたけど...」









ゆっくりと身体を離すと、おでこがくっつきそうなくらい近くで、甘い声の慎が囁いた








慎「ね...もっかい言って?」


「...い、今?」


慎「うん...好き、って」


「...っ」









腰をきゅっと引き寄せられると、
身体と身体の隙間はゼロになる









慎「言って?A...」


「...好き」


慎「もっかい」


「す、んっ!...」









言われるがままにもう一度言葉にしようとすると、慎は優しく唇を塞いで


ゆっくりと顔を離すと、ニヤりと満足そうに微笑む









慎「...A、好き」









そう言ってもう一度口付けをし終えると、夕日はもうすっかり沈んでしまっていた



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MAO - とても素敵なお話で、一気に読めました! (2020年1月11日 22時) (レス) id: 7e55f29c35 (このIDを非表示/違反報告)
- 蘭さん» 楽しみでたまらないです!待ちきれません (2019年8月10日 16時) (レス) id: 772a3fabcd (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ★さん» 物語が思い浮かんだら、再び慎君で書かせて頂こうと思っています!楽しみに待っていて下さったら嬉しいです(^^) (2019年7月19日 0時) (レス) id: 9208e0cc5d (このIDを非表示/違反報告)
- また慎くんで書いてください! (2019年7月15日 21時) (レス) id: b78fe88ec4 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - shyboyz17mさん» 最後まで読んで下さり、こちらこそありがとうございます!すごく嬉しいです泣 (2019年3月25日 23時) (レス) id: 9208e0cc5d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年9月10日 1時

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