３５話 ページ36
｢放課後かっちゃんが迎えに来るのと、僕が来るの、Aちゃんはどっちがいい？｣
｢……え？｣
目の前には、真剣な顔をしている出久がいた。
さっきまでにこやかに笑っていたはずなのに、突然真剣な顔をするもんだから思わず体が強ばった。どうしたんだろう…？
迎えに来る人を、私が選べってこと？でもさっき勝己は私に迎えに来るって言ってたから、勝手に勝己が来るもんだと思ってた…
もしここで私が｢勝己の方が良い｣って答えたら、出久は寂しそうに肩を落とすんだろうか。出久は基本優しくて親切で、気配りもできて、きっと病人の私を労わってくれる。
でも、もし私が｢出久の方が良い｣って答えたら？勝己は、どんな顔する？迎えに来るって言っただろって、怒ってくれたり…する…のかな…
｢…ほら、答え出たでしょ？｣
｢エッ｣
｢ごめんね、ちょっと意地悪言った。放課後に迎えに来るのはかっちゃんだよ、これはもう前もって決まってた事だから…さっきのは冗談。｣
驚いて出久を見ると、何故かニコニコとご機嫌そ〜うに笑っていた。な、何その笑顔…可愛いよ、可愛いけども…
さっきの出久の質問が冗談だと知って、何故かホッとしている自分がいた。
｢…なっ……なんでそんなこと言う！？私超頭悩ませたよ、知恵熱悪化したらどうするの！？｣
｢あはは、ごめんごめん、Aちゃん顔真っ赤だね。｣
｢これは熱のせいだよ。｣
｢本当に？｣
｢そういうことにして…｣
顔が真っ赤？そんなことない。きっとこれは熱のせい、じゃなきゃ顔が赤くなるわけがない。私は何も考えてない、私は知らない、勝己のことなんか考えてない、絶対に。
自分でもバカバカしいなって思った、でも本当にそうであれば良いなって思ってしまった。私が出久を選んだ時、勝己が怒ってくれれば良いのに、なんて。
私がまたもや膝を抱え俯いてう"〜ん…と呻き声をあげていると、出久はポンッと頭に手を乗せて、
｢じゃあ僕そろそろ教室に戻るね、色々と考えさせるようなこと言ってごめん。Aちゃん、かっちゃんが迎えに来るんだから絶対に安静にしててね？｣
そう言いながら保健室を出ていった。
考えさせられるようなことを出久は言ったけれど、その分私の中の疑問の解消にもなった気がする。気づきたくなかったなぁ…とこれから先のことを考えため息をついた。
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レルル - あ、すんません196って2乗でした死んできます (2018年7月31日 8時) (
レス) id: dcaaa97ec7 (このIDを非表示/違反報告)
レルル - 4の4乗は196ですよ〜。 (2018年7月31日 7時) (レス) id: dcaaa97ec7 (このIDを非表示/違反報告)
名取(プロフ) - ニッシー(=´∀｀)さん» コメントありがとうございます、楽しんでいただけて私も嬉しい限りです、今後も楽しんでもらえるように更新頑張らせていただきます…！ (2018年6月25日 17時) (レス) id: 100ff026ee (このIDを非表示/違反報告)
ニッシー(=´∀｀) - 楽しい！ (2018年6月22日 21時) (レス) id: e4fd1957c8 (このIDを非表示/違反報告)
名取(プロフ) - コナさん» 迷惑だなんて、そんなわけないです。私の書く作品を好きだと言ってくれて、その上リクエストをくれるなんて、全てのお言葉が嬉しかったです。応援もありがとうございます、コナさんの、そのお言葉一つ一つが励みになってます、今後も頑張らせていただきます…！ (2018年6月17日 0時) (レス) id: 100ff026ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名取 | 作成日時：2018年6月12日 10時
