１０話 ページ11
ーーーー…
あの後私はいつも通り夕食を食べてお風呂に入り、そろそろ寝ようかな…とベッドの上でくつろいでいた。
帰り際に勝己が言ってた｢迎えに来る｣って言葉が嘘じゃなかったら、安易に寝坊なんてできないからしっかり目覚ましもセットしている。
寝る前に勉強しておこう、と思いノートを開いてみると、私はそのノートに書かれている文字達を見て無意識に口から言葉を零した。
｢うわぁ………めっちゃわかりやすい…｣
開いたのは数学のノート、今日の放課後勝己が私からぶんどったノートだ。
合計3ページに書かれた数式や文字の解説は驚く程細かくて、それでいてわかりやすい。見るだけで今日の授業内容が全て思い出せそうだな、とも思った。
勝己、なんでこんなことわざわざしてくれたんだろう、普段なら即めんどくさいって言うはずなのに…
｢…何かお礼…とか。｣
幾ら勝己は私と本気で付き合ってるつもりが無いとはいえ、流石にこれは何となく申し訳なかった。
お礼したいけど、勝己が喜ぶものとかわかんないなぁ…食べ物は辛いものが好きってことは知ってるけど、他は何が良いかわからないし…切島くんなら知ってたりするかなぁ…
｢明日、聞いてみよ…｣
グルグルと思考は巡れど、勝己が何あげたら喜ぶかなんてわからないし、そもそも私が何かをあげて勝己が喜ぶのかもわからない。
黙々と考えていると、次第に睡魔がやってきてウトウトして、私は気づけばノートを広げたまま寝てしまっていた。
ーーーー…
翌朝、けたたましい目覚まし時計の音で目を覚まし、まだ完全に眠気が覚めてないまま制服に袖を通してリビングへと行くと、
｢おはよーA。｣
｢起きるの遅すぎだろお前。｣
当たり前のようにリビングの椅子に座っているこの男、爆豪勝己。またか。
一瞬私は幻覚を見ているのかと思い、眉間に皺を寄せながら再度見てみたけど、どうやら幻覚じゃないらしい。
な、なんでいるの？今朝だよね？早朝のはずだよね？
嘘でしょ。
いや嘘じゃないって知ってはいるんだけど。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 780人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
レルル - あ、すんません196って2乗でした死んできます (2018年7月31日 8時) (
レス) id: dcaaa97ec7 (このIDを非表示/違反報告)
レルル - 4の4乗は196ですよ〜。 (2018年7月31日 7時) (レス) id: dcaaa97ec7 (このIDを非表示/違反報告)
名取(プロフ) - ニッシー(=´∀｀)さん» コメントありがとうございます、楽しんでいただけて私も嬉しい限りです、今後も楽しんでもらえるように更新頑張らせていただきます…！ (2018年6月25日 17時) (レス) id: 100ff026ee (このIDを非表示/違反報告)
ニッシー(=´∀｀) - 楽しい！ (2018年6月22日 21時) (レス) id: e4fd1957c8 (このIDを非表示/違反報告)
名取(プロフ) - コナさん» 迷惑だなんて、そんなわけないです。私の書く作品を好きだと言ってくれて、その上リクエストをくれるなんて、全てのお言葉が嬉しかったです。応援もありがとうございます、コナさんの、そのお言葉一つ一つが励みになってます、今後も頑張らせていただきます…！ (2018年6月17日 0時) (レス) id: 100ff026ee (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：名取 | 作成日時：2018年6月12日 10時
