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32 (リリア) ページ32








 ナミが来る前のディアソムニア寮は重たい雰囲気に包まれていた




「どうしたリリア?帰ってきたぞ?」


 マレウスは不思議そうにリリアを訪ねた
 リリアは天井に座り、「うー」と唸っている




「…ナミはいつまで他の男とイチャイチャしているつもりじゃ…わしのことなどどうでもいいのか…」


 リリアは泣きそうになっていた
 声がゴニョゴニョしている




「大丈夫だ。他の男とイチャついついるなら、この僕がその男に雷を落としてやるつもりだ」


 マレウスはニヤッと歯を出して笑う
 リリアは「そうしてもらえるとありがたい」と苦笑しつつ、マレウスにお願いする




「ん?」


 そしてすぐ、誰かがこの寮に向かってくる気配がした。リリアはこの者が誰だかすぐにわかった
 
 ドアが開く
 ひょこっと顔を出したのはナミだ




「ナミ!」


 リリアは天井から降りると
 ナミに飛んで抱きついた
 ぴょんぴょん、と跳ねる
 さっきまでの悲しみが嘘のようだ




「待ちくたびれたわい。どうだった?楽しかったか?」


 リリアはニコニコしていた
 ナミの感想が聞きたくて仕方なかった
 もし、またナミと出かけられるなら
 花の街へ旅行に行きたいと考えていたからだ

 ナミは笑う




「そうか!お主が楽しんできたなら良かったわい!」


 リリアはナミの話に耳を傾け、
 自分のことのように喜んだ



33→←31 (クルーウェル)



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作者名:真灯 | 作成日時:2022年11月27日 10時

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