6,『一体何があったんだよォ?』(イッスン) ページ6
〜イッスンside〜
イ)おい…この不景気なツラした毛むくじゃらァ!…おやァ?このトボケ顔、どこかで見覚えがあるような…。そうだ!…お前あの〈白野威の像〉にソックリじゃ─
いかけたところでいきなり狼はオイラをバクッと口の中にくわえ、すぐにその場へ吐き出しやがった!!
イ)ブェ〜ッ!ななな…何しやがんだィ!この野郎、大和男子をヨダレでベトベトにしやがったなァ!?おのれェこのイッスンさまを無礼るヤツは許さねェ!こうなったらオイラの獲物〈名刀 電光丸〉で─
その時、謎の怪物の唸り声がオイラの言葉をさえぎった。
イ)ななな…何だァあの唸り声は?それによく見りゃ夜みたいに真っ暗じゃねェか!?
サ)アマテラス大神、私の果かなき力ではこの〈神木村〉を救うのが精一杯でした。村の生きとし生ける魂は我が果実の内に守りたれば─〈これを切り落とし村を蘇らせ給え!〉
そういうとサクヤ姫は神木の姿に変えた。
サ)大神たる貴方なら必ずや正しき道を見出し─その神業で天地万有を生成化育し給う事でしょう
イ)何だい、もう元の神木の姿に戻っちまうのかィ?
…それにしてもサクヤの姉ちゃんおかしな事言ってたなァ。
村の魂を果実の中に守ったとか…。
あの実だなァ?
…〈切り落とせば村が蘇る〉って姉ちゃんが言ってたのは…。
でもあの高さじゃ〈何か特別な力〉でもない限りどうやっても届かないぜェ。
…そんな事よりどうしてこんなに真っ暗何だァ?
イ)ったく…、オイラが昼寝してる間に一体何があったんだよォ?
狼はオイラの言葉を聞き流し、光が差す神木の中心部へと足を踏み入れていた。
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作者名:迦楼羅炎 x他1人 | 作成日時:2015年4月3日 22時