３４，『…それで、サクヤ姫様は一体どうしたのですか？』(鬼灯) ページ36
〜鬼灯side〜
スサノオさんが大岩を真っ二つに斬ってから数分後、私達は先へ進みました。
……え？
岩を斬った後の会話が飛ばされてる？
…ですか。
聞いた所で特に意味は無いですよ。
まぁさらっと説明すると大岩を斬ったスサノオさんは強がって妖怪退治に行きましt…。
ア)さっきから何ブツブツ言ってんだ？
鬼)こちらの都合ですので気にしなくて結構です。
ア)………は？
イ)…しかしあのおっさん無理してたけどよォ…、村の外となると妖怪どもも荒くれ者揃いだぜェ。おっさん大丈夫かァ？
ア)ほっとけ。そのうちビビって戻って来るさ。
そんな感じでしばらく歩くと、目の前にあのサクヤ姫が来ました。
サ)おお…我らが慈母、アマテラス大神。貴方のご活躍、確と拝観させて頂きました。特に大岩を一筆の元に両断した見事な筆さばきはまこと、筆しらべの名に相応しき鮮やかに御座いました！
…アマテラスさんに対する褒め言葉と同時に。
イ)そぅかぃ？だったら何かご褒美でもくれよォ。
サ)おや玉虫や、お前は何もしてなかったのでは…。
イ)だ、か、ら、オイラはイッスンサマだって言ってるだろォ？オイラを虫けら扱いするやつは懐へ忍び込んでお仕置きs…
ア)変態！(ﾍﾞｼｯ
イ)あだっ！！！！………まァ今はこの毛むくじゃらの方が居心地が良いから安心しな！アマ公、お前もお手でもしろよォ！！
ア)しねェよ！(ﾊﾞｼｯ
イ)痛ッ！！！！
鬼)……それで、サクヤ姫様は一体どうしたのですか？
サ)そ…それが…。このサクヤ、既に通力を失い、あの通り今や花を付ける事さえ侭ならぬありさまなのです。
実は…私はこうしてこの村に立っておりますが村の外にも根を張り巡らせて各地の平和を見守って参りました。
ア)…てことはあの神木と同じやつがほかの場所にもあるって事？
サ)はい。その我らが分身とも言うべき分け木は〈塞の芽〉と呼ばれて、信仰心を集めそれを力の源として美しい緑を育んできたのですが…。
近年増え始めた妖怪達によって各地の塞の芽は次々に蝕まれ、私自身あのように枯れ果て緑豊かな大地も悉く奪われたのです。加えてこの度騒動で夜を覆う混沌の気配は勢いを増し、これまで以上に多くの生命が失われてしまいました。
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作者名：迦楼羅炎 x他1人 | 作成日時：2015年4月3日 22時
