検索窓
今日:3 hit、昨日:38 hit、合計:17,598 hit

1,昔話1 ページ1

昔々あるところに
〈神木村〉という名の小さな村があったとさ。
そこは美しい桜の木々に囲まれ、
その一本一本を神様の木としてまつる静かな村だった。
…だがこの神木村にはある一つの悲しい風習があった。

古い祠に棲む怪物〈ヤマタノオロチ〉を鎮めるため、毎年祭りの夜に若い娘を生贄として捧げていたのだ。
山ほどある大きな体に丸太のように太い八本の首、血のように赤い目は見るだけで呪われると言われ、…誰一人としてこの怪物に逆らう者はおらんかった。

その生贄の祭りが近付くと決まって村外れに現れる一匹の白いオオカミがおった。
〈白野威〉と名付けられた雪のように真っ白なそのオオカミは、山や森へ向かう村人を遠巻きに付け回したり、皆が寝静まった夜に村の中を歩き回ったりするので、生贄を品定めするオロチの使いとして気味悪がられた。

村人の中にはこの白野威を追い払おうとする者もおり、〈イザナギ〉という剣士は自慢の剣術で何度も挑んだのだが、白野威は風のように素早く傷一つ付ける事が出来んかった。

だが数年に一度、何故か白野威ではなく白髪の少女が現れるのだ。

だが村人たちは少女の頭に狼の耳がついていた為白野威が人に化けた姿と知り、これも気味悪がっていた。

そして… ついに忌まわしい祭りの夜がやって来た。
生贄を召し取る合図の白羽の矢が、天を貫き村のある家の屋根に突き立てられる。
…それは〈イザナミ〉という神木村一美しい娘の家だった。
イザナミに密かな思いを寄せていた剣士 イザナギはこれに怒り、今年こそヤマタノオロチを退治すると決心を固めて、イザナミの身代わりとなってオロチの棲む祠へと向かうのだった。

冥府へ続くかのような暗闇を湛えたオロチの根城〈十六夜の祠〉
イザナギがその洞穴の前に立つと、目を真っ赤に光らせた八本の首が舌なめずりをしながら現れた
何年も生贄を召し取って生き続ける怪物ヤマタノオロチだ。
イザナギは弾かれたように飛び出しオロチに斬りかかった。
月明かりも乏しい中必死で剣を繰り出すイザナギ。
…しかし鋼のようなオロチの体には傷一つ付ける事が出来ない。

やがてイザナギは万策尽き、がっくりと膝を突いてしまった。

2,昔話2→



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 7.6/10 (9 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
8人がお気に入り
設定タグ:大神 , 鬼灯の冷徹
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:迦楼羅炎 x他1人 | 作成日時:2015年4月3日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。