Fateプリキュア！NEXUS (ページ9)

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爛と輝～再会～ページ9

～爛視点～

手首についているプリチェンスキャンの見た目が、

一部黒かった部分が綺麗に取り除かれたように白に変わっていた

元に…戻っていた。

今になって冷静に思い出してみたが、澪に腕を捕まれ時にプリチェンスキャンにも細工をされたのだろう

例えば…あの黒弾で圧をかける、とか

そして一瞬の隙を突き

私のプリキュアの力を、カードを奪った

それと同時にダーク部分であるエネルギーも吸収していったのでは…？と

澪なら出来そうだ

これらはあくまで予測だが。

いずれにせよ、これから死ぬ人間だ

澪が何をしたとか今更関係無い

それに、とっくに覚悟はしていた

澪を止めると戦うと決めたときから。

なのに……どうして……

「どうして……なの…！！」

何もない空に向かってなげやりな言葉をかける

これは死ぬことに対する…怒りなのか

それとも自分に対してか…

やけになっているのが自分でも分かる

落ちながら上を、空を見る

相変わらず暗いがその中にここからでも見えるくらいの小さな光が輝いていた

“生きるのを諦めないで”

何故だかそんな声が聞こえた

優しくて安心する

間違いないあの人の声だ

「輝……！」

ここからでは届くはずもない小さな光を自分の残った力を振り絞り手を伸ばす

不思議なことに声が聞こえた時から落下速度が遅くさらに止まっているように感じる

私を…助けてくれる

そんな気がする……

そう思った瞬間、私は光に包まれた

「爛…」

その声を聞いて目を開く

「輝……！」

その姿は、かつて気に入っていてよく着ていた服を身に纏っている

違うのは輝の笑顔

疲労と振り絞るように無理に作っているように感じたあの時の最期の笑顔とは違い、今はいつも通りの曇りのない可愛い笑顔

その姿に私まで自然と笑顔になれる

私の知る輝が帰ってきた

そう思った。

だがすぐにこの思考が頭をよぎった

「輝は……死んだはずじゃ…」

輝が生きているはずが……

でも本当に生きていたら嬉しいのだけど。

「うん…そうだよ…」

その答えを聞いて初めて自分が声に出していたのだと自覚した

私だって澪と共に輝を生き返らせるために戦ってきた

今こそ説得するべきだ、と思った。

でも、不思議とそうする気は起きなかった

なんで…？

ずっと願ってた

せっかく輝と話せるチャンスが来たのに……