Fateプリキュア！NEXUS (ページ27)

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輝の過去ページ27

七虹輝は輝に反論が出来ずにいた
それは脳内に流れ込んでいる輝の過去を知ってしまったから───

それは輝が小学生の頃に遡る
クラスで輝がいじめの対象になったのが始まりだった
いじめる奴は男女両方。理由なんて無いようなもの

最初のうちはスクールカウンセラーや先生に相談していたが、皆いじめという問題には関わりたくないためか「気にしなければいい、ほっとけばいずれやらなくなる」などということしか言わずまともに向き合おうともしなかった
最後に相談した相手…友達だと思っていた人でさえもそう言い、助けてもくれず輝から離れていった

そして輝は孤立し一人になった
見放された気分だった

『なんで本当に助けてほしい時に誰1人味方になってくれない……見て見ぬふりするの？』
『なんで私が…私だけがこんな思いしなくちゃいけないの？』
そんなことばかり思う日々
それでもひたすらいじめに耐え続けるしかなかった

『友達なんて…人なんて信じない』

そんな結論に至った

ずっと一人で抱え込んでいたためどんどん精神状態も不安定になり、ある時限界に達した輝は……
今までの仕返しであり報いを受けさせるため自分をいじめた奴らを殴っていた
無我夢中だった
まるで復讐心で支配されているように。

この事がきっかけで中学は元々行くはずだったところとは別の学校(今通っている所)へ行くことになった

輝はもう誰かと仲良くなろうと思ったり友達が欲しいとも思わなくなった

そして今、プリキュアになっても信じていたものに裏切られ、否定され、自分が何なのかも分からないような境遇になり……

七虹輝には、輝が悲劇のヒロインのように感じた
辛いのに苦しいのに誰も助けてくれず…ずっと一人で戦い続けて。

だから戦ってでも叶えたい願い、この手で取りたいものがあった

「こんなのって……」

七虹輝は泣いていた
ぼろぼろと止まらない涙をぬぐって

「なんでアンタが泣く…」
まるでさっきとは逆だ

色々と言い過ぎたかもしれない…訂正はしないけど

言いたいことをぶつけたからか自分でも落ち着きを取り戻したことを自覚していた

「誰かのために泣けるんだな…アンタは」

誰かのために一生懸命になれるのも私とは違う

「君だって…泣いてるよ、心で」

「…そうかもな」

お互い今まで涙で濡れた顔はすっきりしていた

自分の事も考えたらきりがないが
まずは“これからどうするか”

「色々と聞きたいことがある」

その少女は笑顔で頷いた