ひとりじゃないんだ。 (ページ3)

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養女ページ3

どうやら頭の中のありえないところに影が見つかったらしい。あまりにも衝撃的すぎて話をまともに聞けなかった。
初めての症例だからこれから何が起こるかもわからないし、どんな治療をすれば良いのかもわからないようだ。とりあえず、一週間後に頭を開けることになった。手術費は250万円。

三日後、お母さんとお父さんが二人揃ってお見舞いに来た。大事な話があるって。なんなんだろう。

父｢落ち着いて聞いてほしい。

おまえは･･･本当の俺たちの家族じゃないんだ。｣

『･･･は？』

母｢私たちには女の子ができなかった。だから、色々考えて、養女を引き取ることにしたの。｣

母｢あなたも知っての通り、家にはもうお金が無い。｣

父｢これ以上、他人のおまえにお金を使うことは出来ないんだ。お兄ちゃんと和哉(弟)のためにも。｣

父｢だから、元の家に帰ってください。｣

そう言うと二人は謝ることも、嘆くこともせずただ静かに帰っていった。わずか5分足らずの出来事だった。

二人にとって私は、何だったのだろう。

今まで生きてきた13年間、何だったのだろう。

二人は私のことを大切に思っていなかったのか。

そっか、みんな私のことなんてどうでもいいのか。

二人は･･･小鳥遊家は、私を他人と思っていたのか。

突然のことすぎて、頭が追いつかなかったが、一つだけ理解した。

私は、この世界から消えるべき人間なんだ。

生きていても誰も得しない。

誰にも必要とされてない。

__________窓から身を投げ出した。