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__sasaki side__
なんだよ変質者って、
なんであのときちゃんと話聞かなかったんだろう、
マジで頼む、無事でいてくれ、
そう心の中で思いながらも急いで走れば
向こうから帰ってきたA。
『あれ?どうしたの?』
「どうしたってお前……はぁはぁ、、」
『見て、これ貰ったの〜〜〜』
「誰から?!」
『え、コンビニのお兄さん、オマケってアイスくれた……』
「……はぁ、もうほんと、お前は。」
自分の頭をくしゃくしゃとしてしゃがみこめば
少しずつ出てくる汗。
『え、どしたの。』
「か、母さんが、最近この辺で変質者出たって、それで……」
『……心配してきてくれたんだ?(笑)』
そう言いながらAもしゃがみこんで
俺の顔を可愛い顔して覗き込んでくるから
思わず顔の筋肉が緩みそうになる。
「……うるせ。」
『じゃあそんな大光くんにはこのアイスを差し上げます。』
「それお前が貰ったやつだろ。」
『よく見て、私の苦手な味なの。』
「ぁあ、そういえば。」
『ほら、早く帰って食べよ?溶けちゃう溶けちゃう。』
俺の左手を掴んで歩いていくAの手は
久々に握ったせいか、やはり俺より小さくて
ちゃんと女の子、であることを実感させられる。
「今度から1人で行くなよ。」
『大丈夫、
今度から優しい大光くんが一緒に行ってくれるもんね〜〜』
「……はぁ。」
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おと - 続き、楽しみにしてます!! (2021年8月26日 8時) (レス) id: 66df3375b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴゆ | 作成日時:2021年8月18日 0時