. ページ20
｢いいの？じゃ、遠慮なく｣
そのまま他愛も無い話をして、いつもドンヒョクとミンジュと行くコンビニに入る。いらっしゃいませえ、と語尾を伸ばした店員の声が聞こえる。喉が渇いていたので、私はホットドリンクが置いてある場所で飲み物たちを選別していた。
ストレートティーを手に取った時、背後から｢俺の分もいい？｣と声が聞こえた。その声があまりにも近かったので驚いて振り返ると、少し目を丸くしたジェノくんがいた。
｢わ｣
｢あ、ごめん、ジェノくんもこれ？｣
｢うん、よろしくね｣
｢オッケー｣
会計を済ませて、コンビニに出た時に手渡すと、｢何がいいかなって思ってグルグル回ってたんだけど、見つからなくて結局同じやつにした｣と、私の持つそれを見て自身のキャップを開けながらはにかんだ。
｢ダンス部、今日なかったの？｣
｢うん、バスケ部もでしょ？｣
｢うん。
あ、私がバスケ部って知ってるの？｣
私がきょとんとして聞くと少し間を開けて、うん、と頷いた。
｢ドンヒョクからよく話聞いてたし、バスケしてるの見てたからね｣
その言葉に、そういえばドンヒョクはミンジュがよくイケメンと呼ぶ人たちと仲が良かったな、と思い出した。
｢ダンス部ってどこで練習してるの？｣
｢体育館の2階だよ。あの、壁がガラスになってるとこ｣
｢ああ、あそこか。じゃあ1階よく見えるでしょ｣
｢そうそう、だから休憩の時とかバレー部とか剣道部とか、室内部の練習よく見てるよ｣
なるほど、と理解した。ジェノくんは私が彼を知るより前から私のことを知ってくれていたみたいだ。
｢あ、そういえば聞きたいことがあって｣
｢ん？なに？｣
ずっと前から気になっていたのだが、初めて話した時にジェノくんがバスケ部のダウンコートを着ていたのが気になっていた。ダンス部なのに、何でだろう？
そう口を開こうとした時、ジェノ！と高い声が聞こえた。ぱっと向くと、明るい茶色の髪の毛をおろした女の子が、スクールバッグを片手にこちらに手を振りながら近づいてきていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1327人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ほのか(プロフ) - ジュンさん» はい！頑張ってください！ (2021年3月28日 15時) (
レス) id: a62bd22554 (このIDを非表示/違反報告)
ジュン - ほのかさん» ありがとうございますー！TT 前回の更新から1週間もあいて待たせてしまいすみませんTT 文化祭の流れで色々ニヤニヤしながら内容を考えていました。これからも楽しみに読んでいただけると嬉しいです^^ (2021年3月28日 13時) (レス) id: 574c7b7109 (このIDを非表示/違反報告)
ほのか(プロフ) - 早く続きが楽しみです！！！ほんっとに楽しみなんです (2021年3月25日 11時) (レス) id: a62bd22554 (このIDを非表示/違反報告)
ジュン - さなこさん» コメントありがとうございます！TT 感謝感激です…これからどんどん進展していく予定ですので是非ともこれからも楽しんで下さい^^ (2021年3月20日 13時) (レス) id: 574c7b7109 (このIDを非表示/違反報告)
さなこ(プロフ) - ぐおおおおという気持ちでたのしませてもらってます(褒め言葉です) (2021年3月18日 23時) (レス) id: a10af9d64e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ジュン
| 作者ホームページ：http://commu.nosv.org/p/baekotowhani/
作成日時：2021年2月28日 20時
