・声を聞くだけで ページ48
・
『爆豪くん』
「超野……」
『ああ、いいよ寝てて！お腹痛いんでしょ！』
「うるせぇ」
爆豪くんはベッドから体を起こして、壁を背もたれにして寄りかかった。
お腹が痛いのに、その体勢では余計辛くないだろうか。
でも良かった。ちゃんと話してる。動いてる。
やっと正面から声が聞けた。
『大怪我だったんだってね。ごめんね』
「あ？ンでテメーが謝る」
だって、あの時治してあげられなかったから。
でもそうか。爆豪くんは知らないのか。
なんかズルいな私。
爆豪くんはもう暴れる様子は無い。
回復直後にあんな動けるのがおかしいんだけど。
お腹の他に怪我はないかと少し観察しながら、昨日座っていたパイプ椅子に腰掛けた。
『戦果のこと、聞いたよ』
あれだけの死者や怪我人を出したにも関わらず、本丸は押さえられず。多くのヒーローが命を落とした。
その中には、私の、私たちのよく知る、先生も、、居て……
『…………』
堪えていた涙が溢れそうになって、席を立った。とりあえず窓の外を見て誤魔化す。
このまま喋ったらめっちゃたそがれてる人みたいになるけど、、しょうがない。
『無茶しないでって言ったじゃん』
「……俺はしてねぇ方」
『嘘だ。重傷な人のうちの一人って言われてたよ』
チッ、と居心地悪そうな反応が聞こえる。
全然悔いてる様子は無い。もう多分私が何を言ったって止まることなんてないんだ。
何を言ったって、変わらない。
『……エンデヴァー、大丈夫かなぁ』
轟くんの家には、長男がいた。
それは少し前に轟くんの家に行って知ったことだったけど。
彼は死んだはずだったのに、また現れたのだ。ヴィランとして。
しかも、合宿で私をワープゲートに引きずり込んだあの男だ。
「……出久が」
『え？』
今、なんて……
「アイツ、死なねぇよな」
『…………』
振り返って見た爆豪くんの目は、少し濡れていた。
悔しそうに歯を食いしばっているその顔は、私が今まで見たことの無い顔だったと思う。
『だ…………』
大丈夫？と思わず聞き返しそうになって黙る。
この様子で大丈夫なわけが無いんだ。
そういえば、まだデクくんのことを誰にも聞いてない。
いや、聞くには聞いた。重傷を負ってまだ目が覚めないって……
あの爆豪くんが心配するほどの怪我、なのかな。
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花純(プロフ) - 更新とても楽しみに待ってました...！ (2023年3月5日 5時) (
レス) @page40 id: 9a9f71aa3c (このIDを非表示/違反報告)
冬空(プロフ) - 更新されてる…だと？！？！いかちゃんのお話見られて星嬉しい（ ; ; ） (2023年3月5日 2時) (レス) id: 01a8377650 (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - まってました！！！！！！ (2023年3月5日 1時) (レス) @page40 id: 1571d4bdb2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆま(プロフ) - ほしいかさん！数日前にお話しを見つけて一気に見てしまいました、、、。どれもこれも面白くてとても好きです！読み終わってしまったのがとてもさみしい！！続編すごく楽しみにしています！！ (2023年2月15日 19時) (レス) @page26 id: 1762eb9ea0 (このIDを非表示/違反報告)
あおちゃん - 続編楽しみです！！ありがとうございます！ (2022年8月26日 23時) (レス) @page26 id: fa151c82d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほしいか
| 作成日時：2022年8月12日 22時
