・血まみれ ページ45
・
何度病室を間違えただろうか。
四階の廊下のほとんど終わりの方。ある病室から雄英の制服が出てきた。葉隠ちゃんだ。
「あ、Aちゃん！」
『ここって』
「え、爆豪くんの病室だけど……」
ビンゴ！
葉隠ちゃんの横をすり抜けて病室に入ると、砂藤くんの姿が見えた。
彼が対面しているベッドに、酸素マスクを付けた爆豪くんが眠っていた。
『ば……』
処置が大袈裟だ。
多分お腹の方から服の外の見えるところまで包帯が巻いてある。
「超野。お前今まで何処に……」
『よ、容態は！？』
「え、あぁ、爆豪なら命に別状は無いらしいが」
『…………そう』
命に別状は無いからと言って健康体で戻ってくる保証は無い。まだ安心できない。
なんでこんなことになった。
どれだけ無理を重ねたらこうなるんだ。
この物語はどこまで行ったら終わるんだよ。
『……もう嫌だ』
こんな地獄だって知らなきゃ、こんな所来なかった。
＊＊＊＊＊＊＊＊
＊＊＊＊＊
＊＊
「おいJK！！！！」
『っ！？ え？』
「え、じゃねぇ！！」
『た、、今、叩きました？』
頭を強く叩かれて顔を上げた。
眉間をシワッシワにした黒田さんと、その向こうに青ざめた顔のクラスメート数人が見える。
ん？というかなんで黒田さんが居るんだ……？
「いつまでそこ居るつもりだ！？」
『え……？』
「お前がずっとそこに座ったままだって苦情が入ってんだよ。お友達と、看護師から！！」
『ずっと……？』
黒田さんは呆れた顔で私の腕を引っ張り上げると、無理やりベッドの横のパイプ椅子から立たせた。
「とにかく着替えて、飯食ってこい。あと顔洗ってこい」
『いや……私は……』
「自分の格好見ろ。あと鏡！そこのJK！鏡持ってるか？」
黒田さんはふりかえると葉隠ちゃんに言う。
彼女はポケットから小さな鏡を取り出すと、私に差し出した。
「見てみろ」
『…………』
久々に見た自分の顔は、所々が土と血に汚れていた。
反射的にコスチュームにも視線を落とす。
胸元、袖口は血まみれだった。もちろん、私の血じゃない。
「そのボウズも、起きて目の前にそんな格好の奴がいたらビビるだろ。着替えてこい」
『…………でも』
「お前がここに居たって見てることしかできねぇんだ。さっさとしろ」
『は、はい……』
立ち上がると、葉隠ちゃんの手が私の手を取った。
「行くよ、Aちゃん」
『…………』
一瞬、ベッドを振り返る。
爆豪くんはまだ、目を覚ましてくれない。
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花純(プロフ) - 更新とても楽しみに待ってました...！ (2023年3月5日 5時) (
レス) @page40 id: 9a9f71aa3c (このIDを非表示/違反報告)
冬空(プロフ) - 更新されてる…だと？！？！いかちゃんのお話見られて星嬉しい（ ; ; ） (2023年3月5日 2時) (レス) id: 01a8377650 (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - まってました！！！！！！ (2023年3月5日 1時) (レス) @page40 id: 1571d4bdb2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆま(プロフ) - ほしいかさん！数日前にお話しを見つけて一気に見てしまいました、、、。どれもこれも面白くてとても好きです！読み終わってしまったのがとてもさみしい！！続編すごく楽しみにしています！！ (2023年2月15日 19時) (レス) @page26 id: 1762eb9ea0 (このIDを非表示/違反報告)
あおちゃん - 続編楽しみです！！ありがとうございます！ (2022年8月26日 23時) (レス) @page26 id: fa151c82d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほしいか
| 作成日時：2022年8月12日 22時
