・何を優先するのか ページ37
・
この子を治したら、色々順序が狂うわけで、
この子だけを特別に治す訳にもいかなくて
「早くしてよ！！」
「あああああ！！いだいぃぃ！！」
『……いえ、緑のテントに行って絆創膏を貰ってください』
「はあ！？こんなに言ってるのに」
『そこの人！早く追い出してください！！』
さっきのヒーローに言うと、彼は慌ててこちらに来た。
「ちょっと！？追い出すって何よ！！」
「ママぁぁあ！！」
「緑のテントに案内しますので……」
『お客商売じゃないんです。ちゃんとしてください』
「……はい」
私だってこんなこと、言いたくない。
「サイン！こっち早く！！早くお願いします！」
『はい、すいません！』
すぐに踵を返して行くと、後ろから叫ばれた。
「何よ！！あんたなんかヒーローじゃ無い！！」
『…………』
「早く！！」
『ぁ……はい…………』
やっぱり治してあげればよかったのか。
ヒーローなら、あんな人も取りこぼさず助けるのか。
わかんない。
……わからない。
誰か、正解を教えて。
「お母さんッ！！！」
目の前の患者を復元したその瞬間、また叫び声がした。
振り返ると、
「お母さん！！お母さんっ！！」
さっきのナースがパニックになりながら担架にすがりついていた。
じゃあ、本当にヴィランの進路に巻き込まれて……
た、助けてあげなきゃ……
「ドクター、お母さん助かりますよね！？」
「…………」
ここに運ばれた時点で相当重傷だろう。トリアージ黒だし。
「ドクター！！」
「…………」
いや、救命医さんのこの青ざめ方は、
そういう訳じゃない……のか？
「助けて下さい！！」
「あぁ、サイン…………悪い。頼む」
『…………』
救命医の顔を見て、なんとなく分かってしまった。
もしかしてもう、亡くなってる……？
眉をひそめて救命医を見ると、彼はバツが悪そうに視線を逸らした。
その動きで確信する。
なんで……なんで言ってあげないんだ。
私なら助けられるって思ったのか。
死んじゃったらもう無理って、言ったじゃん。
ナースのキラキラした顔がこちらを向く。
“ここに運び込まれても私が絶対に助けます”
……こんなことって、、
『…………』
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花純(プロフ) - 更新とても楽しみに待ってました...！ (2023年3月5日 5時) (
レス) @page40 id: 9a9f71aa3c (このIDを非表示/違反報告)
冬空(プロフ) - 更新されてる…だと？！？！いかちゃんのお話見られて星嬉しい（ ; ; ） (2023年3月5日 2時) (レス) id: 01a8377650 (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - まってました！！！！！！ (2023年3月5日 1時) (レス) @page40 id: 1571d4bdb2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆま(プロフ) - ほしいかさん！数日前にお話しを見つけて一気に見てしまいました、、、。どれもこれも面白くてとても好きです！読み終わってしまったのがとてもさみしい！！続編すごく楽しみにしています！！ (2023年2月15日 19時) (レス) @page26 id: 1762eb9ea0 (このIDを非表示/違反報告)
あおちゃん - 続編楽しみです！！ありがとうございます！ (2022年8月26日 23時) (レス) @page26 id: fa151c82d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほしいか
| 作成日時：2022年8月12日 22時
