10 ページ10
.
Aのお母さんが、涙を流していた。
そして、Aも声を我慢できずに泣き始めた。
俺はAの肩を抱き寄せて、涙を拭きながらお母さんに礼をした。
俺は感動の場面に立ち会ったと思う。
今、確かにこの親子は気持ちが繋がったと分かったから。
きっとAは、「母親」というものを感じることができたんだろう。
だから、俺自身も感動して、ちょっと泣きそうになってる。
「…あなたたちの気持ち、ちゃんと受けとりました。もう、私は帰るからね。」
お母さんは、荷物を手に持った。
「……あなたたちがこれからどういう選択をしていくか分からないけど、どうか幸せになってください」
「…ありがとうございます。」
俺は深く礼をした。
あぁ、彼女と一生一緒にいることを認めてもらえたんだ。と噛み締めながら。
「…A。素敵な人ね。よかった。」
Aに向けられた優しい笑顔。
この人は、彼女の幸せを祈るがあまり、少しその愛情のかけ方を間違ったのかもしれない。
まだAは完全に受け入れられないだろうけど
でも、こうやって理解しあえたなら、よかったんだと思う。
お母さん、
彼女を産んでくれてありがとうございます。
あなたのおかげで、俺はこんな素敵な女性に出会えたので、ほんとうに感謝しています。
なんて、ちょっと大袈裟かもしんねーけど、
部屋から出ていくお母さんに向かって、
俺は心の中で何度も頭を下げた。
854人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Muu(プロフ) - ゆうさん» とても嬉しい言葉をありがとうございます!少しでも楽しんでいただけたなら幸いです。 (2022年9月6日 17時) (レス) id: 350ffc1ce7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 最高でした。 (2022年8月11日 19時) (レス) @page46 id: be7c7766b1 (このIDを非表示/違反報告)
Muu(プロフ) - ユンギペンさん» ありがとうございます!完結へと一気に書き進められたのは、まさしくこのメッセージのおかげです! (2022年6月25日 2時) (レス) id: 350ffc1ce7 (このIDを非表示/違反報告)
ユンギペン - 続き楽しみに待っています!更新頑張ってください😊いつもお疲れ様です☺️ (2022年6月23日 22時) (レス) id: b9da242e25 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Muu | 作成日時:2021年9月15日 17時