Half step【3】 (ページ5)

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一瞬なにを言われたのか理解できなかった私と
逆に佐野くんは、1番年下なのに全てわかってたかのような態度
鳩が豆鉄砲食らったように慌てる福本くん。

「へっ？あ、彼女？？…まじ？」

「せやろ。やなかったら、なんでここにAさんいんの。」

なんで小島くんが答える？
それに言ってる内容もよく聞けば失礼じゃない？

「前から思ってたけど、小島くん私の事舐めてるでしょ…」

「舐めてるなんて、とんでもない！
…けどまあ、俺とまっさんの付き合いの長さを考えたら、ぽっと出の人が…とか思うけど。」

ぽっと出の女で悪かったね！

「…それを舐めてるって言うの！」

「……まあそれなりに？」

そう言った直後、顔色の変わった私を察して、手のひらを胸の前でふるふると振り、弁明なのか助けての合図なのか…

その手が大きすぎて私はもう一度攻撃する気なんか1ミリも起きなかったんやけど！

「あ〜あ、Aさん怒らんといて？これが俺らなりの祝福やから！」

状況を理解した福本くんがフォローしてくれるけど、そんなんで私の機嫌なおると思ってんの！？

「…あのさっきから、なんか背後に圧を感じるんですけど……」

ずっと黙ってた佐野くんが口を開く。

佐野くんの後ろは、

「まっさんやろ？あの人、結構過保護やから。あとで甘えたら喜ぶできっと。」

なんで私は、年下の男の子たちに、出来たばかりの彼氏の取扱い説明を受けてるんやろう？

まあ、助かるっちゃ助かるけど…

小島くんの指摘で、キッチンで動き回る正門くんを見ていると、パチッと目が合う。

彼の口が開く。

「あ、と、で？」

ダイレクトに耳に届いたその声に驚くと、隣でにやにやしてる3人。

なに暇なの！？ちょっと年上の男女からかっても面白くないでしょ！？

「もう！それはいいから、」

そう嗜めても、元気な大学生たちはなかなか静かにはならなかった。