Half step【3】 (ページ40)

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「大地は…いいお父さんになるよ。
浮気はせんし、家にはすぐ帰ってくるし、…休みの日にはサッカーしてくれるやん。」

「オトンがそやったから、せやろな。
今言うのはずるいかもやけど、Aはオカンによお似てる。あ！見た目やなくて中身がやで？」

「………見た目はタイプやなくてごめんなさいね」

ずるい
容易に大地との将来が見えてしまって、ドキッとした

慌てて、逸らしたけど、バレてないやろうか。

「よかったやん、Aは彼氏おるんやろ？ベタ惚れで困るって、さっき誠也が言っとった。」

「今江…」

誠也さんも知っとるんかな、

良規が私には隠そうとしとること。

「そんなことないし…」

「なにが不安なん、」

謙遜じゃなくて、本当に不満、いや不安で言ったことに気づく大地はやっぱり私のことわかってて

「Aは、料理上手やし、掃除も洗濯も得意やし、あとは…あぁ安いスーパー探すのも上手かったなぁ。
そういう子嫌いな男おらんから、心配いらんで。」

って言ってくれる。

「は？末澤おらんやん。
なに、あいつら絶対先帰ったやん。」

あーあー、
なんて藤原くんが言う。

「西野さんどうする？
今江はまだおるやろ」

「じょお、飲まんのにまだおるん？」

大地は、こういう時ちょっとほっといてくれる。
混乱しとるな、って、たぶんわかってて。

「大地…？」

「なに？帰る？」

「ううん。
今思えば、大地と別れる理由はなかったかも。」

「…は？」

緩んだ顔が、ワンテンポ遅れて固まる。

「…なんでさ、」

私ら

別れちゃったんやろうね