Half step【3】 (ページ38)

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「なんで別れたん？」

藤原くんがジンジャエールを飲みながら聞く。

彼がアルコールが全く飲めないのは意外。

顔からして、飲みサーの代表やってそうなのにびっくり。

「フラれた俺に言う？」

「待って待って、大地やん」

「あれ、俺かぁ？」

「そう、なんで忘れるん。
大地がこれからもずっと友だちでおろ、とか言ったから、別れたんやん。」

「はぁ？俺はAに、俺とおってもドキドキせん、みたいなこと言われたからそう言ったんやけど」

「私が？
…待ってそれ友だちの前でちゃう？それは、謙遜みたいなとこもあるやん。」

「嘘やん、はぁ？？
そんなんわからへんって普通。」

「ストッーープ！！！」

藤原くんが間に入ってくる。

「落ち着いて！
話戻すで？
西野さんはどうなん？今江のこと」

「大地のこと？
…は～、手のかかる弟みたいな感じやったかな？」

弟って、なんて言って

「あ、斗亜げんき？」

なんて、私の弟を思い出したようだ。

「よく覚えてたね…」

「そりゃ、…お母さんのこともあったし。」

……そっか、

大地は、お母さんのこと知ってたんやった

「Aは姉ちゃん？…いや、ちょっとしたオカンやったなあれは。」

「熟年夫婦って感じ？」

「そうそう、『ねぇ』って言ったらものが出てくる、みたいな」

夫婦かぁ…
確かに大地は家族やった。

大地には、私の全てをさらけ出してて、

「なあごめん。
単純に疑問なんやけど、そっからそういう雰囲気にはどうやって持ってくん？」

藤原くんが聞いてくる。
結構恋バナ好きなタイプらしくて意外

「大地、どうする？
私は別に話してもいいよ。」

まあ、さらけ出しすぎて、
色気すら感じてもらえなかったって、それだけの話だけ。

お酒が入ってるからか、過去の話だからなのか、

絶対に他人になんかしない話をしてもいいよ、なんて思ってる。

「え待って、その言い方なんかあかん。
いやそんな言わんでええで、どんな体位がとか、どんなテクニックがとか！」

「…ヤってへんよ。」