Half step【3】 (ページ31)

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「けどまた逃げられそう。」

そう言った正門くんは、実際今日もう行方知れずやったし？

付け加えた。

その通りで、大吾は、この大阪に戻ってきてからの数日間、元々不規則な生活だったとは思うけど、現在Lazyboysが活動休止中というのもあって、以前以上にふらふらしてるみたい。

「最近みんなと連絡とってる？」

「小島は、もうすぐ実習行くみたい。この前会った時、髪真っ黒なってた。」

ハイトーンの髪しか見たことないけど、黒なんて似合うのかな。
それに小島くんにはいつも会う度に、ちゃちゃ入れられてるけど、あれも長らくないと少し寂しい。

「私もこの前ね、社内でイケメンに話しかけられて、誰かと思ったら大晴くんだった。
面接で来たんやって、ガッチガチに緊張してて可愛かった。
でもいいよね、イケメンがスーツ着てたらなんであんなにもかっこいいんだろう」

その後、藤原くんがエントランスまで来て2人を会議室の方に見送った。
大晴くん、どうだったんだろ？
内定1つくらいは貰ったのかな？

「なぁ、それわざと？」

「…なにが？
え、怒ってる？」

ご飯食べながらやから、相槌が少ないんかなとか思ってたら、明らかに不機嫌そうな顔

「別に怒ってるわけやないよ。」

「いや怒ってるやん。
なんで？世間話やん今の」

どこで怒るとこがあったのか、心当たりがなくて戸惑う。

「世間話で普通、他のやつイケメンとかかっこいいとか言わん。」

「違うって。
小島くんとか大晴くんのは、」

「大晴くん、ってなに？」

「正門くん、？」

「それでなんで俺は、名前で呼んでくれへんの？」