Half step【3】 (ページ15)

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「あの子最近何してるか知ってる？」

「え、？」

「急に連絡回数が減ったっていうか…
こっちから、連絡しても素っ気ないんよ。」

これ以上すると、うざがるしね。
まあ、男やから、そんな心配することでもないんやけど

かおりさんがそう言ってことに対して、返す言葉がない。

私は、連絡しても返事がない。

この前、正門くんがお風呂に入ってる間に着信1回、メッセージ1件入れたのに、未だに既読にならないそれ。

曖昧だったものが、確信に変わる。

彼女おるしって、自分なりに気遣ったけど、
こんなことならもっと早く、連絡すればよかった。

アプリの大吾との画面を開ける。

『話したいことがある。』

一向に既読がつかないそれに続けて

『正門くんと付き合うことになった。』

『結婚するつもり』

と、多分これも読まれないんだろうと思いながら送信した。

「大吾、…家には帰ってきてないらしい」

「なんなん、…家出？」

私はフルフルと首を振る。

「小島くんたちがそう言ってた。
…正門くんは、なんにも言ってくれないから。」

「…そう。今度電話してきっちり居場所聞いたるわ」

言葉でもそう言うけど、明らかにショックを受けたような様子

かおりさんに、余計なこと言ったかもしれない。

けどそれ以上に大吾には、苛立ちを感じる。
もう大人やけど、かおりさんにとってはひとり息子なんやから。

『オカンのこと、よろしくお願いします。』

初めて会った日にそうお父さんに頭を下げた大吾を思い出した。

まさか、このままおらんくならんよね…そう思ったら、急に怖くなった。