毒林檎と醒めないキス -永瀬廉-

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3日後




私は図書館の5階にいた








『Aちゃん、監督がすぐにでも会いたいらしいんだけど、近々空いてる？』


そんな連絡が来たのは、2日前で



「君……北原さんの写真にすごく引き込まれるものがあって、他の応募してくれた人よりも遥かに魅力があったから、ぜひ起用したいんだけど、どうかな？」



監督に言われたのは、昨日で






「行きたく、ない……」





まだニュースとかで発表されてない、出演者の方々との顔合わせが、今日。









そう、私はオーディションに応募して、しかもさらっと受かってしまった。




永瀬くんと長野さんが一緒にいるのを見て、その場から逃げて




気づいたら私の指先はスマホの中の顕嵐くんを探していて





今に、至る。





自分から飛び込んだ世界。後悔はしてないはずなのに、不安が邪魔をして思わず俯く





図書館内のエレベーターに向かう途中、視界に入るのは私のつま先だけで


エレベーターに入る時、開いたことだけを確認して中に入って、1階へのボタンを押して





だから。





「……え」





私に後ろから抱きついているのが誰なのか、分からない




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