毒林檎と醒めないキス -永瀬廉-

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次の日



やけに、頭が重い。


原因は明らかで、昨日の夜更かしのせいだ。

佳奈と杏里におすすめされたドラマが、悔しいけどめちゃくちゃ面白くて、つい1話から最終回まで見てしまったのだ。ちなみに、見終わる頃には外は明るくなっていた。



CDも、通常盤はスマホにインポートした。アイドルには興味がないし、DVDは見なくていいや、と開けてすらいない。ジャケット写真も全く見ていなかった。




「今日、いるかな……」



夏バテが始まったのか気怠くて食欲もなくて、りんごジュースだけを買って、523教室に向かう。




「おはよ、勝手に期待してたんやけど来てくれて良かった」



ドアを開けた瞬間、会いたかった人が微笑むから、気怠さがどこかへ消えていく




「おはよ、永瀬くん」




りんごジュースとスマホをカバンから出して、席に座った




「なあAさん、俺昨日連絡先聞き忘れたんやけど教えてくれへん？」


「たしかに！もちろん大丈夫！ちょっと待ってね」




スマホを取り出そうと鞄を開いたのに






スマホが、見つからない




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