２８７． ページ37
その日の夜、Aの様子が気になった神童はAの部屋に来ていた。
神「A俺だ、入っていいか」
中から返事はしない。眠っているのかと思い部屋の扉を開け中に入る。
すると、中では机に突っ伏して家族の写真を持ちながら眠っているAがいた。
眠っているAの顔をよく見れば、目が少しだけ赤くなっていて泣いていたのがわかった。
神「やっぱりな……」
神童はAの髪にサラッと触れ小さく微笑んだ。
神「そうやって一人で強がるところは、成長してないな」
神童はそう言うとAを抱きかかえベッドに寝かせた。
そしてそのまま部屋を出ようとした時、Aが神童の服の裾を掴んだ。
神「ん？」
『いか、ないで……父さん…母さん……』
神「夢でも見てるのか……」
Aは手を離す気配もなく、神童はAのベッドに腰掛けた。
その時、Aの部屋にさくらがやってきた。
野咲「Aさーん、お風呂空いたよ……って、え！？神童さん！？」
神「シーっ……起こさないでやってくれ」
野咲「あ……そうですね。それじゃあ私お先に失礼しますね。お休みなさ〜い。
手を出しちゃダメですよ神童さ〜ん」
神「いいから早く戻れ；」
野咲「は〜い♪」
野咲はそのまま部屋を出て行った。
神「全く……しかしこのままでは俺も部屋に戻れないな……」
神童はそう呟きながらAの寝顔を見た。
神「仕方が無いな」
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作者名：梅こんぶ | 作成日時：2020年2月8日 0時
