サッカーなんかクソ食らえ６【イナギャラ】 (ページ33)

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バンダ「皆は幻を見てたんだ。マドワシ草は。花畑で動物を惑わせて捕らえ、自分の栄養にする」

皆帆「つまり、食べちゃうってことだね」

九坂「そういうことは早く言えよ！；」

真「こんな危険な植物をどうして野放しにしとくんですか？」

九坂「刈り取っちまおうぜ！」

バンダ「そんなことしたら可哀想だよ。マドワシ草も生きてるんだから」

九坂「可哀想だぁ？」

バンダ「見てみなよ！」

マドワシ草の根元を見れば、そこには小さな蕾がたくさんついていた。

森村「可愛い～」

葵「本当だ～」

バンダ「マドワシ草の子供だよ。彼らは子供を育てるために動物の栄養を欲しがるんだ。

マドワシ草も生きてるんだ」

九坂「……お前達は、そんなことまで考えて暮らしてるのか？」

バンダ「考える……」

バンダはそう呟いて黙り込む。

九坂「どうしたんだ？」

バンダ「考えるって……何を？」

バンダの脳天気具合に皆はずっこけた。

バンダ「じゃあそろそろ行こうか！皆ついてきて！」

そう言って皆はバンダについて行く。

神「ん？どうしたんだA？」

Aはその場に座り込んで動かない。

『こ、腰抜けちゃって、動けない……』

神「え？」

『さ、先に行ってていいわよ。後から追いつくから……ひゃっ！？』

Aは気付けば神童に抱き上げられていた。

『な、何してっ！？』

神「置いていけるわけないだろ。マドワシ草みたいに、俺たちの知らない危険な植物が他にもあったらどうするんだ？

俺が運んでやるから安心しろ」

『そ、そうじゃなくてっ！何でお姫様抱っこなのよ！？』

神「フッ、こっちの方が照れてるお前の顔がよく見えるからな」

『～～～っ！！(このドSめぇっ！)』

Aは顔を真っ赤にしながらそのまま神童に運ばれていった。