痛みを感じない少女～Another Story 3～ (ページ18)

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それから数日、栗松がチームを抜けたと報告を受けた。

『ふぅん、栗松君がねぇ……』

春「チームはバラバラ……どうしたらいいんでしょうか……」

『そんな気に病む必要はないよ。円堂はいつだって諦めたりはしなかった。

そういう諦めの悪いところが、彼の魅力だろう？私も、彼のそういうところに惹かれていった人間の一人なんだから……』

春「Aさん……」

『さ、もう夕暮れだ。皆のところに戻りたまえ』

春「はい……あ、吹雪先輩の容態って……」

『あぁ……大丈夫だよ。目も覚ましてるし、少し回復したらすぐに戻ってくるさ』

春「そうですか、よかったぁ……それじゃあ私戻りますね」

『帰り道には気を付けるんだよ』

春奈はそのまま病院を後にした。

グ「Aちゃんって、お姉さんみたいだね」

『……また君か。もう驚かないよ』

グランはAの方を見て微笑む。

グ「この間はごめんね。彼、大丈夫そう？」

『敵の心配とは、随分と余裕の構えだね』

グ「彼が怪我をしたのは俺のせいでもあるからね。でもその様子だと大丈夫そうで安心したよ。

それじゃあ、今日はそれだけだからもう帰るよ」

グランはそう言うとそのまま帰って行った。

『神出鬼没だねほんと……』

瞳「Aさん……？」

後ろを振り返ると瞳子がAの事を見ていた。

瞳「今、誰と話していたの……？」

『ただの通りすがりですよ』

瞳「恍けないでちょうだい！貴方、エイリア学園と繋がりがあるのっ？」

瞳子の言葉にAは溜息をついた。

『そんなわけないって、貴方が一番理解しているでしょう。吉良瞳子監督』

瞳「！」

Aはそう言うと何も言わずに戻っていった。

瞳「貴方は一体、どこまで気付いているの……」