理系教師の弟【ツイステ】

８． ページ8

それからネズミ姿のグリムを掴んだまま門の外へと出た。








先ほどから手の中で「離せー！離せー！」と叫び続けている。








『チューチューとうるさいネズミだな。







……さて、毛皮を剥がれてコートにされたくなければ、もう二度とこの学園に近づくんじゃないぞ。







躾けを希望と言うのなら、僕が檻にでも閉込めて調教してやるが？』








「ふ、ふな”ぁ〜〜〜！；こ、ここは一旦ずらかるんだゾー！」









そう言うとグリムはAの手から逃れ学園とは反対方向に逃げていった。









Aはそれを見ると、寮へ戻っていった。









寮へと戻ってくると、ヴィルが談話室のソファに座っていた。









「あら、おかえりなさいA。あの汚いネズミはちゃんと追い払えたのかしら？」








『聞かれるまでもなく。僕にかかればどんな生き物も、ただの仔犬同然です』








「言うじゃない。今日はもう寝ましょう。お肌の為にも早いところ休みたいわ」








『フッ、そうですね。新入生への躾けは、明日からということで。







ハーブティーでも飲んで明日の授業に備えましょう』









Aはそう言ってハーブティーの入ったティーカップをヴィルに渡した。








「フッ、アンタのハーブティーはいつ飲んでも心休まるわね」









『お褒めいただき光栄だ、ヴィル寮長』

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