理系教師の弟【ツイステ】

４６． ページ46

それから、気付けばテスト最終日。







教室内では、ペンの音と時計の針が動く音、テストを早めに終らせて眠っている者の寝息が聞こえてくる。







隣のラギーはわからないところがあるのか先程から問題用紙を睨み付けている。








Aはクルーウェルに教えてもらっていたこともあり、すらすらと問題を解いていた。









「そこまで。全員ペンを置くように。一番後ろの者は解答用紙を回収してきなさい」








テスト監督のトレインがそう言うと、皆はテストが終ったことによる解放感に浸っていた。








「はぁ〜、今回のテストもギリギリってところッスかね〜







Aくんどうだったんスか？魔法史、やっぱ苦戦したんじゃないッスか？シシシッ」









『フン、見くびるなよ。兄様に勉強を教えてもらったから僕のテストは完璧だ』








「うわっ、ズリィ。今度のテストではオレもその勉強会誘ってほしいッス」









『覚えていたらな。さて、試験も終ったことだし久々に部活に顔を出すとするか。








次の映画に向けての衣装が早く作りたい』









「ほんっとAくんって、服好きッスよねぇ」









『服で人間の印象は変わるものだ。お前も、野暮ったい格好ばかりしていないで、たまにはオシャレしたらどうだ？』









「オレは着れたらなんでもいいんスよー」









『フッ、もったいないことだな。気が向いたら、お前にいくつか服を見繕ってやっても良いと思っていたんだがな』








Aは笑みを浮かべながらそう言うが、ラギーはそんなAを見て顔を引きつらせた。









「それは後が怖いんでいらないッス……」








『そうか。それは残念だな。じゃあ、僕はこれで』









Aはそう言うと教室を出て行った。

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