人の皮を被った鬼捌【ヒロアカ】 (ページ11)

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それから学校へ帰る時間となり、一同は病室を出て行った。

そんな時、Aがエリちゃんにそっと近づいていく。

『エリちゃん…その…』

緑谷「Aさん？」

相澤「……」

Aはエリちゃんと視線を合わせるようにしゃがみ込んだ。

『これだけは、ちゃんとエリちゃんに言いたくて…』

エリ「Aさん？」

『あの時…私が暴走してエリちゃんに怖い思いをさせてごめんなさい。

それと…私を助けてくれてありがとう』

エリ「え…？」

『エリちゃんのその優しい力のおかげで、私は誰も傷つけずに済んだの。

まぁ、緑谷少年にはちょっと苦労かけちゃったけどね。

でも、大事になる前に私を止めてくれたこと、すごく感謝してるの。本当にありがとう』

Aのその優しげな微笑みを見て、エリちゃんはホッとした表情になっていた。

エリ「あ、あのね…あの時のAさん、本当はちょっとだけ怖かったの。

でもね、Aさんが本当は優しいってわかったの」

エリちゃんはそう言ってAが先ほどむいたリンゴを手に取った。

『！そっか…嬉しいわ、そう言ってもらえて』

相澤「付喪、そろそろ帰るぞ」

『あ、はい。それじゃあねエリちゃん。話せてよかったわ』

Aはそう言ってエリちゃんに最後に微笑みかけて病院を出た。

緑谷「よかったねAさん」

『ふぅ…嫌われてなくてホッとしたわぁ…』

Aは帰りのタクシーの中、安堵の息をついていた。