夜桜の木の下には彼女がいた２～FFI編～ (ページ50)

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日本エリアに帰ってきたAとヒロト。

宿舎から近い海沿いをゆっくりと歩いていた。

『夜の海って凄く綺麗だな』

ヒ「そうだね。でも……」

ヒロトはそこで言葉を止めた。

月光に照らされながら海を眺めるAの美しさに見とれていたからだ。

先程のイタリア人がAを天使だと言っていたが、ヒロトはAが女神にしか見えなかった。

『……冷えてきたな。そろそろ宿舎に、んっ！』

Aがヒロトの方を振り返ると、ヒロトはAを抱き寄せ唇を重ねてきた。

『んっ……んぅ……！』

深く強く重ねられたその唇は次第に熱をこもり始めて冷えていた体が一気に熱くなる感覚がした。

ヒロトの唇が離れると、ヒロトはAの頬を優しくなでた。

ヒ「綺麗だよ、Aちゃん。何よりも君が一番綺麗だ」

Aは顔を赤くしてヒロトの顔を見た。先程のイタリア人の時はこんな反応を見せなかったのに、ヒロトに言われると体が芯から熱くなる感覚がした。

『(何、この気分……)』

ヒ「さぁ、そろそろ戻ろうか。マネージャーが心配している頃だろうしね」

『う、うん……』

Aとヒロトは手を繋いだまま宿舎に帰っていった。

二人の足跡が砂浜に残っていた。