第24話 秘密主義 ページ25
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言われた通りに出口まで来たけども、
案内したというより、
手を引っ張られたまま彼の後ろでナビしただけ。
夜はもう深く、店の明かりが彼を映し出す。
以前会った時は気がつかなかったが、明るいとこだとわかる。
透き通るような白い肌に、鮮やかな朱色の髪。
加えて、吸い込まれそうな青。
私の記憶の中にもう1人、似た顔が浮かんだけど、
何となく口には出さず黙っておく。
自分の周りは何でこんな顔が整ってる人が多いのか……
頭のてっぺんに流れに逆らった毛がゆらりと揺れ……
あれ? この人、
『団長……さん? 』
ぴたりと動きが止まり、珍しく困惑してるよう。
まずいコトだったかな、なんて焦っていると、
「……」
『阿伏兎さんが探してました……よ? 』
先ほど教えてもらった名前を出せば、ますます眉をひそめ、イヤそうな顔をしてる。
とにかく阿伏兎さんとの約束を果たした。少しだけ達成感に浸る。
「まぁ、いいや」
1人で完結したみたい。
この際だから、いろいろ聞いておこうと図々しい考えが浮かんだ。
『あなたは、誰ですか?
吉原の人、ではないですよね……
あと、この前狙われてるのは、私って……
どういう意味、』
「ストップ。A、意外と欲張りだね」
人差し指で口元を押さえられ、
言い聞かせるようにわざとらしく微笑む。
途端に何もかも知ってるような彼に踊らされてる気がして恥ずかしくなる。
「まぁ、普段は宇宙を飛び回ってるよ。
吉原の人間じゃない。
そして、アンタが狙われてるって言ったのは、
まだ予測の段階だ」
一つ一つ丁寧に答えてくれるが、
どこか曖昧というか、煮え切らない返事。
突っ込みたいところはたくさんあるのに、
圧がある微笑みをかけられるとそれ以上突っ込めない。
『よ、予測? 』
なんだ、私が狙われてるということに関しては、
そんなに心配することもない。
「でも、いずれ奴はアンタに近づく。
そいつを捕まえる為に、俺は吉原に来た」
安心した私を咎めるように、鼻をギュッと掴まれる。
軽くつままれたのに、涙が出るほど痛い。
悪くもないのについ、すみませんと謝ってしまう。
「だから、アンタを監視することにした」
『……え? 』
「Aのそばにいれば食にも困らないね」
それはもしかして、店のまかないのこと?
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月夜の光(プロフ) - ありちゃんさん» コメントありがとうございます!!そう言ってもらえてすごく嬉しいです(;o;)もっと上手に表現できるように頑張ります!ありがとうございます! (2021年2月28日 15時) (レス) id: e8dd5af318 (このIDを非表示/違反報告)
ありちゃん(プロフ) - 月夜の光さんの神威が好きすぎて他の作品見れなくなりそうです!!キュンキュンします(^^)更新楽しみにしてます (2021年2月27日 20時) (レス) id: 15fe9d02c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月夜の光 | 作成日時:2021年1月2日 22時