もふもふ、まっしぐら。

5あしあと ページ5

「元居た場所に返してくるよい」

「いやだ！！」

「………………」

あーーー…うん…ただいま絶賛『子犬を飼いたい息子』VS『うちでは飼えませんお母さん』のやり取りが繰り広げられている

まぁ犬だもんなぁ俺…これが人間ならもうちょっと違ったのかね

エースは俺を抱き抱えながら金髪の男に抗議していた
えーっとなんだっけなぁこの人…なんか『よいよい』言ってたよな

「何でだよマルコ！！良いじゃねえか！！」

「誰が面倒みるんだよい」

あ！そーうだマルコさんだ！
国民的アニメのおかっぱのあの子と同じ名前だったわ

「俺が面倒を見る！」

「テメェの面倒をみれない奴が何言ってんだよい！」

「あ！？見れてるだろーうが！！」

おうおう。ヒートアップしてますなぁ…
いや他人事じゃないんだがな？
エースは俺を船に置く為に直談判してくれているのだ
俺も何とか力になりたいが…如何せん言葉は喋れないので何も……子犬うるうるビームしか出せん


「まぁそんなに言うなってマルコ。コイツめちゃくちゃ可愛いじゃねえか」

「あ？何言ってんだよいサッチ」

おっと？
そう言うとサッチと呼ばれたオッサンは俺をエースの腕から離して抱き抱えた

つか頭すげえなおい！？フランスパン？？

「クォ……」

「ほら見ろよこのつぶらな瞳！こいつもここにいてえんだよ！」

エース。必死で俺の良さを語ってくれる
嬉しい。いや俺の良さっつうかこの子犬の良さだな？

「ぐっ…確かに認める。だがここは海賊船だ。万が一だってあるんだよい」

まぁそらそうだわな。海賊船だから危険は付き物だ
戦いだってあるんだろう
そんな時に俺1匹をどうするか、ということになる

「俺が守る！」

エース…そんなにきっぱりと即答を…嬉しすぎる

「エース隊長だけじゃねえ！俺達だって！」

そう言う人達はエースとさっき居た人達
確かエースの事隊長って言ってたから隊員の人達か


「お前らいい加減にしろよい…」

ほとほと呆れ返ってるマルコ
確かに子犬1匹にこの有様だ。天下の白ひげ海賊団も可愛いモフモフには敵わないってことだなぁ…

「まぁいいんじゃないか？子犬が1匹増えたところでうちはもう大所帯だ」

なんたる美人！？
美人なお姉さんが俺の頭を撫でながらマルコに説得を試みてくれている

「それに見ろ。2番隊以外の奴らのだらしない顔を」

顔？
周りを見渡すと他のオッサンや兄ちゃん達が俺を見て顔が緩みに緩みまくっていた

あちゃあ……こりゃダメですわ…

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