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私は何処にでもいるいたって普通の専業主婦だ。
夫は外仕事、私は家仕事と結婚当初に二人で決めてから、今日までずっと家事全般を担っている。
そしてそれはおそらくこの先も変わらない。
息子が幼く、目が離せない頃はそれはもう大変で、時間に追われる日々であったが、手が離れてからはかえって時間が余るようになってしまった。
その時間を利用して資格を取得したり、家計の足しにと株の投資をしてみたり、時には花を活けてみたり
様々な分野に手を出したが、やはりどこか心に残った退屈さを払拭することはできなかった。
「ただいま」
食器を洗い終わると同時にドアが開く音が響き、エプロンで濡れた手を拭きながら玄関へと向かった。
「おかえりなさい。今日は随分早いのね」
「会食の主催者が体調を崩されたようで、またの機会になってしまってね」
「そう、だったら何か作りましょうか？」
「お願いしようかな」
夫はジャケットをハンガーにかけると、椅子に座るなりすぐに自身のパソコンを開いた。
「お酒は飲む？この間校長先生が送ってくださったワインが残っているけれど」
「あぁ。君が飲んでしまっても構わなかったのに」
「ふふ、だって一人で飲んだって美味しくないもの」
モッツァレラチーズとトマトを切って、オリーブオイルであえ、カプレーゼにした。
2つのワイングラスにフランス産ピノ・ノワールの赤ワインを注いでいく。
息子は夕飯を食べ終えて、風呂を出るなりすぐにまた勉強へと戻ってしまった。
その勤勉さはとても良い事なのだが、そんな生活習慣を毎日続けている息子の精神面が心配でならなかった。
おそらくかなり疲れが溜まっているはずだ。
「學峯さん。学秀は学校で楽しくやれているの？」
夫はパソコンから顔を上げて、どこかわざとらしい笑顔を浮かべた。
「人脈も徐々に広げているし、勉学や運動に関しても今の所申し分ない。ただもう少し広い視野を持つ必要がある」
「学生生活においては、楽しくやれているよ」
まるで通知表のような答え方に、二者面談でもしている感覚に陥る。
夫は学校の理事長であり、息子はその生徒。家族だからと特別扱いすることはできないし、どうしても一定の距離感は必要なのだろう。
だが、家にいる時にまでその雰囲気を醸し出されると息が詰まってしまう。
「ねぇ、學峯さん」
夫は微笑む。
「…やっぱり、なんでもないわ」
私も口元を隠すように微笑んだ。
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ミルメーク(プロフ) - 長い間お疲れ様でした！もし良ければ浅野親子関係で新しいストーリー作って欲しいです！ (3月21日 20時) (
レス) id: b3b06100e3 (このIDを非表示/違反報告)
hal - 非常に面白かったです！時間を忘れて一気に読みました。原作のイメージそのもので驚き、公式から浅野家スピンオフとして出せる作品だと感じました。私も学秀君が正気を保っていられたのも、浅野家が家族として何とか機能していたのも奥さんの存在が大きいと思っています (2023年3月13日 1時) (レス) id: 96f1185981 (このIDを非表示/違反報告)
キャラメルコーン(プロフ) - 奥様が泣いたてしまったシーンが私の中で凄く感動して泣きました、これからも更新する予定でしたら更新していただけると嬉しいです！ (2022年9月2日 0時) (レス) id: bee3de3e8f (このIDを非表示/違反報告)
おむれつ(プロフ) - おもちゃ箱さん» コメントありがとうございます。キャラの口調等は特に気をつけて書いているのでそう言って頂けると嬉しいです！ありがとうございます。更新これからも頑張っていきます。よろしくお願いします。 (2022年2月24日 21時) (レス) id: b911301b3c (このIDを非表示/違反報告)
おもちゃ箱(プロフ) - キャラの特徴がすごくつかめていて、読んでいて違和感がないです！！お話も本当に面白いです！更新待ってます！ (2022年2月23日 21時) (レス) @page17 id: c78fba56e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おむれつ | 作者ホームページ：http://mokyumokyuuu
作成日時：2022年1月11日 19時
