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「何なのよ貴女、少し金持ちだからって人を見下したような目をして！！」
「どうか落ち着いてください」
「あなたにはわからないでしょうね！私が一体毎日どんな思いで働いて…」
その高慢きちは、殴るように机を叩き、鼓膜が引き裂けてしまいそうな大声を上げた。
横から教頭が宥めるもむしろ逆効果で、かえって顔は赤くなっていく。
「潮田さん。何度もお話申し上げましたが、先程のような要望にはお答えしかねます」
「E組の本校舎復帰の条件は、入学時に配布されたパンフレットにも記載されて…」
「うるさい！！！」
冷たい感覚が、目まぐるしい早さで広がる。
目の前には、鬼も顔負けの形相でコップを持った潮田さんが身を乗り出して立っていた。
前髪からぼたぼたと水滴が滴り落ちる。
彼女は、ほんの一瞬だけひどく焦った表情を見せた。
だが、直ぐにぐにゃりと目を歪めて、再び臨戦体制へと切り替える。
「言わせて貰いますけど、貴女ねぇ」
「PTAの会長だか理事長夫人だか知りませんが、少しその傲慢な態度を改めてはいかがです？」
時々いるのだ。
理事長先生に断られた。もしくは直談判する勇気がなく、妻である私にこういった話を持ちかける親が。
E組制度に対するクレームや、本校舎への復帰の申請
内容は多種多様だが、私はあくまで学校でなく保護者側の立ち位置であり、それらを変える権限はない。
何度か説明しても、理解を得るのは難しい。
「私の態度に至らぬ点がありましたなら、申し訳ございませんでした」
「ですが、やはりE組から本校者への復帰は私の一存で実現させる事は出来ません」
潮田さんは、最後にねっとりと息を吐いた。
「貴方のような人が妻だなんて、理事長先生も本当に大変な苦労をなされているでしょうねぇ」
「息子さんだって同じよ」
私は八つ当たりをされている
潮田さんは頭に血が上って正常な言葉選びをできていないのだろう。
「…皆目見当がつきませんね」
視線を下ろすと、手の甲には血管が浮き出ていた。
彼女が出ていくなり、大慌ての教頭先生からタオルを受け取り顔と頭の水分を拭う。
「困りますね。あぁいうのは、どうしたものか…」
教頭の顔が引きつっている。
「主人ならもっと上手く、波風立たずこの場を収めるのでしょうか」
「さぁ、どうでしょうねぇ…あの方、潮田さんは少々厄介な方というかなんと言うか…」
少し頭が痛くなり、定型的な挨拶を交わしてその場を離れた。
あぁ、風邪を引いてしまいそうだ。
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ミルメーク(プロフ) - 長い間お疲れ様でした！もし良ければ浅野親子関係で新しいストーリー作って欲しいです！ (3月21日 20時) (
レス) id: b3b06100e3 (このIDを非表示/違反報告)
hal - 非常に面白かったです！時間を忘れて一気に読みました。原作のイメージそのもので驚き、公式から浅野家スピンオフとして出せる作品だと感じました。私も学秀君が正気を保っていられたのも、浅野家が家族として何とか機能していたのも奥さんの存在が大きいと思っています (2023年3月13日 1時) (レス) id: 96f1185981 (このIDを非表示/違反報告)
キャラメルコーン(プロフ) - 奥様が泣いたてしまったシーンが私の中で凄く感動して泣きました、これからも更新する予定でしたら更新していただけると嬉しいです！ (2022年9月2日 0時) (レス) id: bee3de3e8f (このIDを非表示/違反報告)
おむれつ(プロフ) - おもちゃ箱さん» コメントありがとうございます。キャラの口調等は特に気をつけて書いているのでそう言って頂けると嬉しいです！ありがとうございます。更新これからも頑張っていきます。よろしくお願いします。 (2022年2月24日 21時) (レス) id: b911301b3c (このIDを非表示/違反報告)
おもちゃ箱(プロフ) - キャラの特徴がすごくつかめていて、読んでいて違和感がないです！！お話も本当に面白いです！更新待ってます！ (2022年2月23日 21時) (レス) @page17 id: c78fba56e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おむれつ | 作者ホームページ：http://mokyumokyuuu
作成日時：2022年1月11日 19時
