He ページ15
大きな鯉のぼりを見るためだけに休日に出掛けるなんて以前の僕なら考えられなかった。
Aと付き合ってから色々と出掛けるようになって外の楽しさを知った。
利根川の河川敷で行われる巨大鯉のぼりの遊泳までまだ時間があったので、僕たちは出店を見て回った。
まだ歴史の浅いこの平和祭はそれほど混雑しておらず、ゆっくり楽しみことが出来そうだ。
「あ、柏もち売ってるよ！食べようよ」
子供のようにはしゃぐAを見ると来てよかったなぁ、と思う。
土手に座って二人で柏もちを食べる。
アカツメグサとヤセウツボが風に揺られて春らしい香りがした。
「河村さんちは鯉のぼりあった？」
「兜はあったけど鯉のぼりはなかったかなぁ。
おもちゃみたいに小さなやつはあったかもしれないけど」
思い返してみてもこどもの日に特別何かした記憶はない。
普通の男児だった僕は鯉のぼりよりも兜の方が嬉しくて、それを見ながら新聞紙で作った兜をかぶって剣のおもちゃを振り回していた。
「私、昔から鯉のぼりって好きなんだよね。
あんな風に空を泳げたら気持ちいいだろうなぁって」
Aは柏もちを食べ終えて、アカツメグサを摘んで編み込むように繋げていった。
どんどん長くなっていくのを見て器用なものだと感心した。
「私、子供が出来たらお家で鯉のぼりあげたいなぁ」
そうぽつりと呟いて、花冠を作るAはきっと良い母親になるんだろう。
出来上がったそれを僕に被せると「似合うね」と笑った。
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ぽん(プロフ) - 完結おめでとうございます！お疲れさまでした！ほんとにこの作品が好きで、更新されるたび歓喜雀躍しておりました…！！ももりんさんの書くkwmrさん、不器用だけど優しくてほんと素敵でした…！また違う作品も楽しみにしています！ステキな作品ありがとうございました！ (2020年10月29日 20時) (
レス) id: 4b7a069960 (このIDを非表示/違反報告)
ももりん(プロフ) - そらまめさん» 返事が遅くなってすみません。そんなふうに言ってもらえて嬉しいです。恐ろしく遅い更新ですが、是非最後までお付き合いくださいませ(*´-`) (2020年7月24日 16時) (レス) id: 281ef44def (このIDを非表示/違反報告)
そらまめ - えっ…めっちゃ好みドンピシャだぁ…なんかこう緩い雰囲気なのに甘々なのがもうっ、好きです！！！(突然の告白) (2020年6月28日 13時) (レス) id: f9e97d8abe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ももりん | 作成日時：2020年5月16日 18時
