魔王ツルマルの攻撃 ページ50
嫌々渋々無言でカネさんさんに背を魅せるような形で椅子に座る。
目線が右半身にかかるのが気配でわかる。
『･･････あんまり擦ったらカエル攻撃。本気で』
｢お、･･･おう｣
カネさんさんのおっきな背中とは違い女性のような小さい背中をしているので少々驚かれたのだろうか。
『･･･････････なんか話してよw』
｢おま、おまんがしゃべれ｣
なんだ、なんだ。急にどうした？
おまんって･･･坂本さんみたいだな。
『･･･ふっ･･･』
｢な、何笑ってんだよ！｣
ガリっ！
『･･････っ！』
背に少し強めの痛みが走った。
いや、今のは俺が悪い。
笑わなきゃ良かっただけだ。
｢わ、悪い･･･｣
『いんや、今のは俺が悪かった』
ていうか･･･何で背中洗ってるんだ？
タオルならそんなことにはならないはず。
チクチクする痛みに後ろを振り返ると･･･。
｢ん？なんだ？｣
『ｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞ！！』
カネさんさんが持っていたのは。
たわし･･･
たわし！？
そりゃ痛いわけだ。
めちゃくちゃに叫ぶ主。
フッと痛みが上がってきてヒリヒリする。
『それ違う道具だろ！掃除道具だろ！用途が違うだろ！！！』
｢たわしは背中を洗うようだろ？｣
『誰に教わったんだボケェェエエ工！！』
｢えっ･･･鶴丸国永｣
『鶴さんんんんんんんんんん！こんのやろ！許すまじ！！』
おいおい、変な情報を入れてる最悪な魔王だな。あやつ。
かァァァっ！許さぬ！許さぬぞ！
『ぬぉおお･･･どうすれば良いのだ。これで驚かされて35回目！魔王ツルマルは勇者の体をも破壊するのか･･･ふっふっふ、いい度胸だ。まだレベル2の勇者の猛攻撃を待つが良い！はっはっはっは！！』
｢きゅ、急にどーした･･･お前｣
勇者は魔法使い紫式部カネさんを残し1人高らかに笑ったのだった。
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作者名：のろすけ | 作成日時：2019年7月16日 23時
