今度の審神者は超怖がりでした《参》 (ページ49)

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洗ってもらいたくないなぁページ49

｢･･･なんでダメなんだよ｣

『･･･大人の事情というものが絡まると上手く行けないものなのですよ』

｢お前まだ餓鬼だろ｣

『･･････』

カネさんは分かっていないようだ。
俺の背中事情。
あんまり擦られるとこっちとしても面倒臭いので
やめて欲しいだけなのだが。

『･･･あらっ･･･うーん、洗っ･･･ぐ･･･ヤダなぁ』

この機会もないだろうし。
他の刀剣様が羨ましがるんだろうし。
カネさんさんに猛攻撃を仕掛けるのでは？
と思う。

俺の火傷跡は右半身とは言っても頭から下。
つまり首から足までである。
右とは違って左は肌色なのだが、右半身は真っ赤に染まり、手の指先まで･･････もう想像して下さい。
先程まで服を着ている時に右手が上手く動けるようにナンチャラ器具という自分でもよう分からぬ器具を付けていたのだが･･･。

実際取ると･･･殆ど動かなくなってしまう。
俺はそんな自分でも滑稽(こっけい)だと思ってしまうその姿を誰にも見せたくなかった。
なので、シャットアウトしているのだが。
閉店ガラガラしているのだが。
この･･･紫式部カネさんがやたらと店をこじ開けてくるのだ。
グリグリと。何としてでも今日入荷する本を盗もうという感じの変な人のように。

『･･････そんなに見たいの？』

｢見たいっていう･･･か。なんというか･･･｣

『成長期真っ盛りの息子の背中みたい親なんていねーぞ』

｢み、みた、みた･･･見たいじゃねーよ！ちげーよ！何笑ってんだよ！背中洗わせろや！オラオラ！｣

『何逆ギレしてんだよ･･･』

家政婦のミタ･･･見た見た？のようにいうカネさん。
焦りも含めたカネさんさんの行動にフッと笑えば、
顔を赤く染め逆ギレしてくる。

『はいはい･･･』

むむ、見せなくてはならないようなこの展開。
大人の事情として切り抜けられないものなのか。
カネさんさん意外とラスボスより手強い。