今度の審神者は超怖がりでした《参》 (ページ4)

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油揚げ（ポテチ）ページ4

｢主、何してるの？良かったら僕が作った油揚げ食べて欲しいんだけど･･･｣

『あぁ、行くよ』

審神者の部屋の前で呼びかけられたAは部屋を出て台所に向かった。みっちゃんの言う油揚げとは。
豆で作られた方の油揚げか、それとも鳴狐さんの勘違いで生まれた油揚げ(ポテチ)か。

『･･････ふぁあ、眠ィ』

勢い良く伸びをすると一気に肩の力が抜けた。昨日から徹夜で審神者の仕事をしていた。報告書をまとめていた。内容は出陣と演練の回数とブラック本丸なのでどんな状況か、など。大抵｢この日審神者気絶｣と書いたのが多かったけれど。

｢あ、主！どう？僕が作った油揚げ！｣

『･････････ポテチかぁ･･･』

やはり勘は鋭くポテチだった。一般的に家庭で作るとなんか知らんけど屋台の味になるんだよなぁ。ポテトって･･･。なんで？なんでだろ。俺が知りたい。
とりあえず、ひとかじり。

パリッ･･･ｼｬﾘｯｼｬﾘ･･･。塩･･･薄っ。まるでただのじゃがいものようだ。まぁ、じゃがいも油で揚げて塩かけただけだけどな。

『美味しいけど、塩が足りないかな。薄くて乾燥されたじゃがいもみたい』

｢もっとかけたら塩辛くなるよ？｣

『それがいいんだよ。みっちゃんに是非、カルビ～のォォォポテトチップス！･･･を食べていただきたい』

｢今の現世はそんなものがあるんだね。しかもおやつに食べるんなんて･･･｣

『まぁ、おやつじゃなくてもいいんだけど･･･』

みっちゃんは俺のiPodみたいな機械をじっと見つめる。

『ほら、のり塩とコンソメ』

｢のり？！の、のりをかけるのかい？｣

みっちゃんにしては良いリアクション。ご意見番にいずれはなれるのではないか？

『これが美味いのだよ。悪魔の食べ物なのさ』

｢あ、悪魔の？･･････主、そんなの食べちゃいけないよっ！身体壊したらどうするんだい？なんでそんなの食べるの？僕には理解できないよ！｣

『み、みみ、み、みっちゃんんん？や、病みつきになるっていう意味であって･･･毒は入ってないよ。じゃがいもと油と塩だけだよ？』

俺はみっちゃんに両肩をがしっ！と持たれ揺らされる。これはジェットコースター並。揺れる揺れる。
怖い怖い怖い怖い。

｢そ、うなの？･･･なら良かった。ごめんね｣

『いいんだ、みっちゃんよ･･･』

肩を離された後、俺は膝から落下して行った。
うぇ･･･気持ち悪ぃ。