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やることなくなって ページ30

「主!その服の洗濯はお任せ下さい!」

『え・・・いや・・・自分であらーー』

「主お世話係、この長谷部が掃除しておきますので!ささっ、主は仕事をお願いします!」

『・・・・・・あ、はい』

今朝自分で洗濯をしようとしたら長谷部くんに全力でとめられました。風呂掃除も進んでやろうとしたらとめられました。

俺そのうちニートになりそう。
長谷部くんの仕事っぷりは半端ない。
洗濯も掃除も全て取り上げられた俺は猛ダッシュしていく長谷部くんの背中を見送る。

『・・・・・・・・・』

家事まで神様にやらせる訳にはいかないと思っていたのだがーー。逆に神様のやる気が凄いと押されてしまう。長谷部くんの様な神様はとくに。

やる事が無くなった俺はカネさんさんのためにカエル型折り紙を作ってあげようと思った。
嫌がらせではないぞ。決して。
愛情である。カエルの愛情。

1人審神者の部屋でコツコツとカエルを作る。
ブレーメンの音楽隊のように下がトノサマガエルで、1番上をちっこいカエルのタワーを作る。

『・・・・・・・・・はぁ』

カネさんさんの部屋はもう折り紙カエルだらけである。大半は捨てられてしまったが芸術っぽいものは残されている。主が懸命に作ったものとして・・・。
いや、それチラ裏で折ったものだからね?テキトーだからね?って言ったら捨てられそうだったので言わなかったが、カエルの腹部分を覗くと「洗濯機!19000円!お買い得商品!」と書かれている。
あー、特売の時のやつだ。

『チラ裏だけのは残してあるんだけどなぁ、なんでかなぁ・・・』

なので今回のカエルタワーは全てチラ裏にした。

『あの人、カエルの腹とか見てお買い得商品見てんのかな。こっそり見てんのかな・・・最近やけに家電に興味津々だもんな』

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「主!コレ炊飯器って言うんだな!今じゃかまどの様にふっくら炊きが人気なんだろ?」

「へぇ!カネさんよくそんなの知ってるね!もっと教えて!」

『なんで知ってるんだ・・・』

「俺はかっこよくて今流行りだからな!流行りものには詳しいんだ!」

『じゃあこの炊飯器の会社名は?』

「虎」

『・・・・・・』

「虎だ!合ってるだろ?」(ドヤ顔)

『合って無くはない・・・』

まさかカエルのチラ裏みて覚えてるんじゃ・・・。
ていうか、タイガー炊飯器を虎って言うのカッコイイな。虎炊飯器、強そう。
堀川くんまでそのうち詳しくなってそうである。

チラ裏で。

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作者名:のろすけ | 作成日時:2019年7月16日 23時

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