謎の御蔵(おくら)前篇 ページ15
『うわぁ・・・俺の嫌いな物が出揃ってそう・・・』
そこは大きい御蔵。倉庫みたいな・・・そんな所。さっき一応持ってきた木刀は腰に挿しているが、お化け屋敷並に怖そうだった。
ギギギ・・・。
『お、開いた・・・』
中を見て俺は軽く悲鳴をあげた。赤い液体塗れのその屋敷。拷問跡か分からないけれど痛めつけられた刀剣様が2人。声に振り向き睨む。
「・・・・・・アナタはどちらさまですか」
・・・・・・これ、審神者っていうと殺されるよね。絶対そうだよね。なんて言おう。
「・・・新しい審神者・・・か?貴様」
『ひぃいいいっ・・・!』
ダン!という音があたりに響く。見たことの無い刀剣か、もしくは審神者。向こうは審神者と思っているのだろうか。目が怖い。
「答えろ!貴様は誰だ!!」
1人が吠える。その声に俺が固まった。怖い怖い怖い怖い。
『あ、新しく・・・この本丸に来た・・・さ、審神者で・・・ございま「審神者だと?!」』
最後まで言わせて・・・。その心情が心の奥底でポンと消え去った。審神者で反応した1人が本体の刀をブワッ!と首に付けてきた。物凄い風邪を切った音。
『・・・・・・ッ』
おおおぉう・・・審神者、叫べない。でも審神者パニック状態。くび、首に!刀!刀ある!
「前審神者は・・・いなくなったのか?それで貴様が新しい審神者になったと?」
『・・・そうです』
何このお兄さん怖い。刀と言うよりは槍か薙刀という所だろうか。怖い。
「あたらしい、さにわ・・・さま?」
「そうだ、審神者等全て同じ人間だ。関わってはならぬぞ、今剣」
「まえのさにわさまがいなくなったから、すこしはらくですかね・・・」
『・・・・・失礼ですが、前の審神者様はどのような方で?それと、コレはなんでしょうか』
「・・・・・・前審神者は使えないモノは全て刀解しようとしていた。目の前で折られていく仲間達を見て反逆したのが俺達だ。その結果がこのざま。大きな蔵に入れられて何をされるのかと思ったら拷問だぞ?毎晩審神者はここへ来た。そして俺達を痛めつけた。俺達に審神者はもう必要が無いのだ!」
『・・・・・・』
「あたらしいさにわさまは・・・ぼくたちにまたイタイことをなさるのですか?」
『・・・・・・』
その話をされた瞬間、自分の何かがボッ・・・と火がついた。その火は前審神者に・・・いや、それを伝え無かった政府に向かっていた。
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作者名:のろすけ | 作成日時:2019年7月10日 22時