38話 ページ38
アダムサイド
13とAの仲が引き裂かれ、俺の目の前には弱り果て、精神的にも不安定な彼女
「13…ッ…」
そして辛そうにそう呟く彼女の声と虚ろな目からボロボロと涙を流す姿を見て、ガツンと現実に戻される感覚
あァ…目の前にいる大切な人を泣かしている元凶は俺だ
俺はただAが欲しかっただけなんだ
隣にいて、手を繋いで、キスをして…
彼女と昔の関係に戻りかった
だが彼女が求めて愛する人は俺ではなく13
その事実が分かってしまった今、俺がいくら彼女に愛を伝えたとしても、好意を寄せたとても、きっともう何も変わらないのだろう
「…ハハッ…俺の負けだ…13…」
そう潔く自分の中で認めて、彼女から手を引くことしかできない俺が今の彼女の為にしてやられることはただ一つ
「…A、13の元へ行くんだ」
座り込んで泣いている彼女に目線を合わせ、肩を強く掴み、そう告げる
「でも…」
「諦めてどうするんだ?取り返しのつかないことになってもいいのか?」
すると小さく首を横に振り、否定する
「なら、今すぐにでも13を追いかけるべきだ
それに…もう心を向けたい相手は13だってハッキリ分かったんだろ?」
そう強く言うとハッとしこちらを見上げる彼女
そしてしばらくすると俺の質問に強く頷けば、ゆっくりと立ち上がった
そんな彼女にもう弱々しく泣く姿はどこにもなくて
「そうだね…今追いかけなきゃきっと後悔する。私、行ってくる…ッ!」
そのままバッと医務室を飛び出そうとする彼女
だが、ふとこちらを振り向き
「ありがとう、アダム…」
微かながらに笑ってそう告げた後、13の元へと行ってしまった
「ッA…」
本当は行かないで欲しかった
いっそ引き止めて自身の物にしたかった
だが、それは叶わないから…
「A…好きだ…」
この彼女への溢れかえる愛しさを隠し持ち続けるぐらい許してくれ
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Omiso(プロフ) - 白虎さん» またのコメントありがとうございます!私も少しこの小説を終わらせることに寂しさを感じちゃいました(笑)けれどこの作品を良いと言って貰えてとても満足しています!次回作は考え中なのでいつになるのか分かりませんが頑張ってみますね!本当にありがとうございました! (2019年4月28日 1時) (レス) id: dc3fcb1081 (このIDを非表示/違反報告)
白虎(プロフ) - 完結おめでとうございます…! そしてお疲れ様でした! 終わってしまい少し寂しい気もしますが、やっぱり感嘆しました…! とても良い作品を書いてくださってありがとうございました、次作の方、楽しみにしてます!! (2019年4月28日 0時) (レス) id: e2f4e0cbf0 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - 13推しさん» 最後まで応援ありがとうございました!貴方様のコメントがとても励みになっていました!この作品を素晴らしいと褒めて下さり、読み返していただけるなんて嬉しすぎるお言葉とても感激です!本当に最後までこの小説につきあって下さりありがとうございました!! (2019年4月28日 0時) (レス) id: dc3fcb1081 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - mikuri1024さん» またのコメントありがとうございます!!今回の小説では病みの13はいませんでしたが、純粋な13を楽しんで頂けてられてたのならとても安心しました…。次回作についてはまだ考え中ですが貴方様の応援の言葉とても嬉しく思います!!本当に最後までありがとうございます! (2019年4月27日 23時) (レス) id: dc3fcb1081 (このIDを非表示/違反報告)
13推し(プロフ) - 完結お疲れ様でした!!いやぁー、とても満足出来ました!素晴らしい作品をありがとうございます!これからもちょくちょく読み返します(笑) (2019年4月27日 23時) (レス) id: ad78e4c495 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Omiso | 作成日時:2019年3月26日 22時