諦めきれない想いを胸に【サーティーン】

12話 ページ12

「優しくするのも、相談に乗ってやるのも、側にいてやるのも友人だからとか同じヒーローとしてなんて単純な理由でもない

お前が好きだからなんだよ…」


そう私を抱き締めながら耳元で言う彼の言葉に私の頭はついていかない


「…ッえ、嘘なんだよね？冗談なんだよね…？
だって今までそんな素ぶりなんてしてなかった」


必死にそう伝えればスッと抱き締めるのをやめて、何も答えずに顔を徐々に近づけてくる13

そんな彼から離れることもできなくて思わず目を瞑った



だけどいつまで経っても口にこない感触



そっと目を開けると至近距離でこちらを見つめて意地悪そうに笑う13の姿

そんな彼に 嵌められた と分かった途端に恥ずかしさのあまり顔に熱が集まっていく


「何だ、期待したのかァ？必死に目を瞑って可愛い顔しちゃってよォ？冗談に決まってるだろうが」


そう言い終わるとケラケラと笑う13

そんな彼に怒りを覚え、ヤケクソになり


「〜ッ貴方の好意を真に受けた私が馬鹿だった！もう13のことなんて知らない！！」


バッとその場から立ち去ろうと足を動かした

だけど途端にパシリと手首を掴まれる


「おいおい、なんか勘違いしてねぇーかァ？」

「勘違いも何も私のことを好きだなんて冗談だったってことでしょ？！」


そう大声で言い終わると はっ？ と拍子抜けた顔で呟く13

そしてしばらくすると溜息をつき


「ちげーよ、確かにキスはただの冗談のつもりだったが…


お前を好きなことは冗談でも何でもねぇーよ」


そう言う彼はいつになく真剣な表情で、そんな彼にどう返せばいいか分からなくて黙ることしか出来ない


「…って言っても突然の告白にお前が答えられるわけねぇーよなァ」


と途端に真剣な表情を崩し、後頭部に手を置く13

そしてしばらくするとふと立ち上がり


「別に今すぐに返事が欲しいってわけでもねぇーし、お前が焦ることはねぇーよ


だが俺はお前に意識して欲しいと思うからこれからはそれなりの接し方をするつもりだ


だから…せいぜい心の準備ぐらいしとけよ」


そう言うとグシャリと私の頭を撫で、私に背を向けどこかへと行ってしまった



そんな彼の背を見つめ、私はただ顔に熱が集まるのを感じていた

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