27話 ページ27
五条サイド
先ほど言われた彼女の言葉が頭の中でグルグルと廻り続ける。
「(目を背けないでください。私のことを全く見てないんです)」
それはお前からの好意からか?その好意が他の女と何が違うっていうんだよ。
それとも俺が変わりないと思ってしまうこと自体が向き合っていないというのか。
「意味わかんねぇーこと言ってんじゃねぇーよ。バカA」
好意を持った女なんて今まで面倒くさいと向き合うだけ無駄だとバッサリ切り捨ててきた。
今回だってそうすれば良い。なのに_______
なんでお前とはズルズルと関係を続けたいと思ってしまうのか。
好意に気付いた時点で切り捨てればよかったのに関係を断ち切りたくなかった。もしかして俺は…
「(五条先輩)」
脳裏に浮かぶ彼女の声と真っ直ぐに俺を見つめてくれる姿にトクンと心が揺れる。
Aと向き合って想いと見つめ直すのも悪くないんじゃ…
「悟」
低く呼ばれたその声にハッと考え事を中断させられて顔を上げる。そこには傑の姿があった。
「どこ行ってたんだい?探したよ」
「…んだよ、傑には関係ねぇーだろ」
「授業が始まってしまうのに君をサボらず訳にもいかないだろ?それに…」
ツカツカと目の前まで来ると俺の肩に手を置き、
「最近は真面目に授業に来てただろう。Aちゃんに構わなくなったからね」
「!それは…」
「え?まさかまた彼女に興味でも湧いたのかい?でもおかしいなぁ」
「何がだよ」
「前に言ってたじゃないか。好意を寄せられて迷惑、失望したと。それで今更?そんな心変わりあるわけないよね?」
「〜ッそんなわけないだろッ!あんなヤツもう興味ねぇーよ。勝手に勘違いすんな」
煽るような傑の口調に勢い余って出た言葉。その自身の言葉がジワジワと心を侵食していく。
よく考えれば傑の言う通りじゃねぇーか?何をごちゃごちゃ悩んでいた。Aと見つめ直す?向き合う?
馬鹿らしい。
いつものようにフればいい。好意を寄せてくる女なんて全員一緒だ。
所詮、Aも俺の表面しか見てないただの女。そこらへんの女。
俺が気になっていたのはアイツが都合のいいおもちゃだったからだ。…今は違うだろ。
「私の勘違いだったか。もしかしたらAちゃんが気になってるとか言い出すと思って」
「一生ねぇーつーの」
「じゃあもし告られたら断るのかい?」
「こっぴどくフッてやる。今までの女と同じように」
「ハハッ。それはそれはよかった」
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Omiso(プロフ) - 緑の白猫さん» 前作でも今作でもコメントありがとうございます!ドロッドロという素敵な褒め言葉、最高に嬉しいです!心情は特に意識しているのでそう言って頂けて光栄に思います!次回作を出せれた時はぜひ応援よろしくお願いします!最後まで読んで下さりありがとうございました! (2021年4月5日 14時) (レス) id: 00c4677ab1 (このIDを非表示/違反報告)
緑の白猫 - ドロッドロでおっもい(超褒め言葉)好み過ぎる作品をありがとうございました! 前作も読ませて頂きましたが、どちらも心情描写が堪らなく好きです。作者様のペースで新しい作品を作って頂ければ飛びつきます。本当にありがとうございました。 (2021年4月5日 13時) (レス) id: 41276e8159 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - ノアさん» 最後まで読んで下さりありがとうございました!いつもは今までの作品も読んで下さっていたのかな?今作も読んで頂き嬉しい限りです!世界観を味わってもらうよう文は意識しているのでハラハラしたという感想を頂けて大満足です!今後とも応援よろしくお願いします! (2021年3月21日 21時) (レス) id: 00c4677ab1 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - muuさん» muu様!またのコメントありがとうございます!そして最後まで読んで下さりありがとうございました!憧れである貴方様に素敵な褒め言葉を頂けて感涙してしまいそうです(泣)いつも影ながら応援しています!そしてこの作品を応援して下さり本当にありがとうございました! (2021年3月21日 21時) (レス) id: 00c4677ab1 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - 虹野原さん» そして貴方様のような素敵な方に読んでもらえて心の底からこの作品を作ってよかったと思います!今後においてまた作品を作る機会では貴方様の応援を糧に全力で頑張ります!本当にありがとうございました! (2021年3月21日 21時) (レス) id: 00c4677ab1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Omiso | 作成日時:2021年2月6日 18時