41話 ページ1
乱暴に口を重ねてくる荼毘。
そして、その光景を見て立ち尽くす出久。
凍りつくような空気が流れる。
だけど、私が荼毘を突き飛ばした途端に壊れた。
「〜ッやめて！！」
「…！なっ」
突然のことに荼毘はグラリと体を傾けて私から後ずさる。
その隙をついて出久の元へ駆け出した。
「待ってくれ…ッ…」
そう私を呼ぶ荼毘の声が聞こえたけれど、迷わず出久の胸へと飛び込んだ。
「A…ッ…！」
途端にギュッと出久に強く抱きしめられる。
そして、出久はギロリと荼毘を睨みつけて
「彼女はお前のモノでも何でもない。それにお前は彼女の愛すべき相手でもないぞ！！」
否定の言葉をぶつけた。だけど、荼毘はそんな出久を見てないどころか、声すら聞いていなくて
「どいつもこいつも俺からAを奪おうとする。特にお前…ヒーローデク。お前さえいなければ俺はAに…ッ…」
ギリッと奥歯を噛み締めて、俯く荼毘の姿は見たことないほどに弱々しかった。
だけど、すぐさま顔を上げてニヤリと笑えば、
「なァ、ヒーロー。お前はAと別れたんだろ？なら、そこまでAに執着する必要も助ける必要もねぇーだろ。
別れたのなら別れたでさっさと引き下がれよ」
そうだ…今思えば私と出久は別れた身。
いくら、週刊誌の言葉が嘘だと分かって、彼が私を愛するゆえに別れたということであっても
彼はもう私に見向きする必要はないのだ。
それなのになぜ出久は今でも私をそんなに…
「…あァ。僕は確かに彼女と別れた。愛しているから、人々のためだからという理由で別れたよ」
だけど…と言葉をつないで私の顔を見ると、
「僕はもう一つの理由があった。それは…彼女を身近に大切な存在として置いておくのが怖かったんだ」
そんな思いが出久にあったんだ…
彼は強い人だからと決めつけてそんなことないと思ってた。
「その理由から僕は彼女と別れた。でも、もうそんな臆病な気持ちは捨てた。
だからこそ、今彼女に…いや、君に伝えるよA」
そう言うと、真っ直ぐに私の瞳を見つめて、
「もう一度、僕の大切な人として側にいて欲しい」
突然の告白、そして彼からの愛の言葉を捧げられた。
一度で受け止めきれないほどに、驚きと嬉しさと困惑が混じりに混ざるけれど
ただただ心は温かいもので満たされていった。
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Omiso(プロフ) - ユリさん» 最後まで読んで下さりありがとうございました！貴方様を楽しませられたこと心から嬉しく思います！本当にありがとうございました！ (2020年9月1日 9時) (
レス) id: 9c7156f888 (このIDを非表示/違反報告)
ユリ(プロフ) - 凄く楽しかったです！ (2020年9月1日 0時) (レス) id: a96c1cf246 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - シラユキさん» 最後まで読んで下さりありがとうございます！貴方様にそう思って頂けてとても嬉しく思います！こちらこそ素敵なコメントをして下さり本当にありがとうございました！ (2019年12月18日 23時) (レス) id: 377f79ecdf (このIDを非表示/違反報告)
シラユキ(プロフ) - ラスト、泣きそうになってしまいました！！ どのページも楽しみながら読み進めることできました！！ 本当に最高の作品をありがとうございます！！ (2019年12月18日 23時) (レス) id: 4aa4850497 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - ひまりさん» 最後まで読んで下さりありがとうございます！貴方様から何度もコメントが来るたびにとても励みとなっていました！そして、この作品を褒めて頂けてとても嬉しく思います！本当にありがとうございました！！ (2019年11月22日 20時) (レス) id: 1a1ef423e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Omiso
| 作成日時：2019年11月8日 22時
