見上げる先には蜜蜂の飛翔 ページ15
今日は久し振りに宴に参加出来る。
宴の日に限って何故かお互い仕事に駆り出されてしまう辺り、医師団は本当に人が足りない。ただ、人をも治療できる医師団長は恐らく私よりも忙殺されてしまっているのだろう。せめて私も医師免許くらいは持てればいいが、そのためにはアカデミーを出なければならない。
ハムレットはハムレットでやはりその性質を活かした任務を行わなければならず、その後はやはり寝込んでしまう。これまた予定が合わない。
影が薄い、というのは果たして吉だったのか凶だったのか。考えても意味の無いことだが、それだけに久し振りに宴に参加出来るのは嬉しいものだ。
……ただし、宴が始まるギリギリまでは神樹の修復と苗木の管理なのけれど。休まる暇さえありはしない。
ようやく調子が戻り始めたハムレットと、上へと向かう。
「ジャレッドさん、もしかして今日は宴の日なのですか?」
「ああ、そうさ。久し振りに君も大いに酔えるよ」
「ジャレッドさんもしかしてご自分が酔えないからと言って」
「君も私も働き詰めだったからね。負担としては君の方が遥かに大きいし、こういったガス抜きの効果が大きいのも君だと思うよ」
私の言葉で、ハムレットが子どもっぽくむくれてみせる。
とても可愛らしい。私にだけ見せてくれる表情、というのがまたさらに可愛いのだ。
彼女の頭をゆっくり撫でてやると、その手にかぶりつくようなキスが返ってきた。
「ジャレッドさん、わたくしはもうあなたの妻ですのよ?キスのひとつくらい軽率にしてくれるくらいでなければわたくしは寂しいです」
ハムレットの言葉に、微笑みが零れた。
彼女の細く白い首筋に牙を突き立てるように口付けてしまえば、ハムレットは嬉しそうに笑ってくれる。
男は獣だと言うのは言い得て妙なのかもしれない。
顔を赤らめた彼女の頭を撫で終えた頃、ちょうど宴会場にたどり着いた。
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アトランティス(プロフ) - 初めまして、見させて頂いてます。ジャレットおじさま...?(混乱中)うちの子が出るなら甘い物を貰いに来そうだな...()更新楽しみに待ってます! (2019年7月28日 23時) (レス) id: a0fd450377 (このIDを非表示/違反報告)
螺旋状 - 十六夜月姫さん» 更新頑張って下さい!こちらもおじさまを借りるときがいつか来るので、そのときもよろしくお願いします!(予告) (2019年7月28日 19時) (レス) id: f31ca4f391 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜月姫(プロフ) - 螺旋状さん» こちらこそありがとうございます…!おっさんはこれからもこうして悩みながらの生活をしますがよろしくお願いします…! (2019年7月26日 20時) (レス) id: 876f512bd1 (このIDを非表示/違反報告)
螺旋状 - え、あ、え、うちの貴智くんが...?(混乱)お借りしたのを確認しました!おじさまカッコいいです(・−・ )。続きを楽しみにしています!使っていただきありがとうございました(*´▽`*) (2019年7月26日 19時) (レス) id: f31ca4f391 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:十六夜月姫 | 作成日時:2019年7月19日 21時