ちょっと手袋を取りに ページ26
そんな私の反応に少し驚いたのか、一瞬キョトンとした後、二人は「でしょ?」「だろ?」と言って笑った。
「うんうん。じゃあ、今からアンタ達も雪だるまを作る?」
「そのために出てきた!おおきいのつくってやる!」
「ぼく、ユウミさんにほめられたい!」
………そうですか。
「リーハ、コノハヅキ!きょうそうだぞ!」
「え、競争するんですか?僕も?」
「ぼくはてかげんしないからね!」
「は、はい……」
困惑気味のリーハ君を他所に、幼児二人はキャアキャアと楽しそうに雪の中へ突進した。
あっという間に全身が雪まみれ。
でも、すごく嬉しそう。
元気な二人に囲まれて、リーハ君も笑顔になっていた。
なんだか良いお兄ちゃんに見えるわ。
私もその笑いの輪の中へ入ろうと思ったけど、ちょっともう指が限界だった。
冷たさに負けちゃったみたいで、ちぎれそうなほどに痛い。
一旦中へ戻って暖めよう……
あったまったら、手袋をつけてまた来よう……
私はリーハ君に近づいてそれを伝えた。
「分かりました。大丈夫ですよ!指が痛いのは困りますよね。早く暖めてください!」
「ありがとう、この二人を見ててね。」
私が玄関へ戻りかけると、「早く来いよー!」とリーオックさんが不服そうな声で言った。
「もちろんよー!」と私は手を振った。
私は居間の暖炉に椅子を寄せ、座りながら炎に手をかざした。
パチパチと薪が爆ぜる音を聞いていると、なんだかホッとする。
思えば今日はずいぶんへんてこな一日だ。
あの二人が幼児化しちゃうなんて嘘みたいだわ。
元が殺し屋だから、言動がいちいちおっかないし。
でも、私はいつの間にかすごく頑張って育児をしてる。
初めてなのに偉いわよね?
もちろん、リーハ君がご飯を作ってくれたり掃除を手伝ってくれたりしてくれたからだし、二人にかわいいところもあるからだけど。
ただちょっと、そろそろ……
誰かにこの苦労を
手が暖まるとすぐ、私はユウミ姉さんの部屋の隣に位置する自分の部屋へ行って、チェストの中から手袋を探した。
幸い、もこもこした毛糸の手袋がすぐに見つかった。
またすぐに雪で濡れて冷たくなりそうだけど、まぁ良いでしょう。
それより、リーハ君やあの二人も手袋をはめてなかったけど、平気かしら?
下手すると霜焼けになっちゃうものね。
ちゃんと手袋は持ってるのかなあ……一応聞いてみた方が良いかも。
私は手袋をはめながら玄関へと急いだ。
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冷兎 - シャーロックさん» それはない、え、てか二人が言うこと聞くとか明日地球滅亡するの?? (2021年1月31日 21時) (レス) id: c9ef579e5a (このIDを非表示/違反報告)
シャーロック(プロフ) - 冷兎さん» ふふふ、ナイスなのはレイトの絵がすっごくかわいいからだよ! (2021年1月31日 15時) (レス) id: 9c59d2a140 (このIDを非表示/違反報告)
冷兎 - 姉貴…ここであの絵を取り入れてくんのと青葉入ってくんのナイスすぎる (2021年1月31日 1時) (レス) id: c9ef579e5a (このIDを非表示/違反報告)
シャーロック(プロフ) - 冷兎さん» もうめっちゃくちゃだねwこれが本当のクレイジーDAYS☆ (2021年1月29日 21時) (レス) id: 9c59d2a140 (このIDを非表示/違反報告)
冷兎 - シャーロックさん» あ、俺よりヤバイ人出てきてはるんですけど??え、ちょ、らんn((ナナミぃ!サンクチュアリ燃やして彼女と一緒に日本に帰って来い!! (2021年1月29日 21時) (レス) id: c9ef579e5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シャーロック | 作者ホームページ:https://twitter.com/Sherlock_Rio
作成日時:2020年12月22日 22時