はなしあい 2 ページ6
女子Cちゃんは、まるで今までの女子Cちゃんではないみたいだった……。
私は唖然としながら、女子Cちゃんの言葉をきいていた。その態度は自信に満ちていて、私たちを嘲るかのようでもあった。
「女子Cちゃん。あなたが、てんしさんだっていうことは、分かった。でもそれならどうしてファンだと名乗ったの……?」
私は疑問をぶつけた。すると女子Cちゃんは、少しだけ表情に困った色を見せたようだった。
「……元から現実の人にアカウントを教えるのは躊躇いがあったから」
だから、どうせなら有名作者である自分への評価を生の声で聞いてみようと思った、とのこと。
「……で、本題だけど」
女子Cちゃんはそう言うと、私の顔をじっと見た。
「パクリ騒動……あれをどうにかしたいんでしょ?」
そうだ。てんしさんと本来話し合いたかったのは、それだった。私は何をどう切り出せばいいのかわからず、口ごもった。
しかし私が口を開く前に、女子Bちゃんがずいと前に出た。
「単刀直入に言うよ、てんしさん。本当にパクリをしたのは、あんたじゃないの?」
私の中でずっともやもやとわだかまり、その輪郭をなぞることを拒んでいた言葉。私は顔を上げて、女子Cちゃんを見据える。
「私がパクリをしたって証拠はなにかあるの?」
女子Cちゃんは無表情だった。
「証拠は……ないけども。でも私はAちゃんがパクリをしたなんて思えない。かといって晒されていたあのスクショを見る限り、偶然とも思えない!」
女子Bちゃんは、きっ、と睨みつけるような視線を女子Cちゃんに向けた。すると女子Cちゃんは、何が可笑しいのかふっと笑ってみせた。
「ずいぶんと美しい友情で。羨ましい限りだよ。でも証拠も無く、実際に見ていたわけでもないのに、友達を庇うんだ?他のユーザーはみんなパクリ作者だと思っているのに?」
「でも、私は本当にパクリなんてしていない、てんしさんの作品なんて見てすらいなかったんだよ……」
私は反論しようにも、言葉がどうにも弱々しくなってしまった。もう反論さえも疲れてしまったのだろうか……
「Aちゃん。この件はもう諦めて私に謝って。そうしてくれれば、Aちゃんの件は許すように言うから」
……そんな。本当にやっていないことを、どうして謝罪が出来ると言うのだろうか?
後輩Aちゃんと同じことをてんしさんにも言われ、どうしようもない気がした。
場は沈黙。それを掻き消すようなチャイムによって、話し合いは中断された−−
どうでもいい裏設定
後輩Aは可愛い。でも性格がきつめ
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nasiremon(プロフ) - 現実とサイトの中での繋がりに深く考えさせていただきました。てんしさんに対し、私の考えを話したいと思いました。気持ちは、すごくわかるんです。私も一作者としてここにいるので。更新頑張って下さい!! (2020年8月3日 2時) (レス) id: fa0cba8ed9 (このIDを非表示/違反報告)
如月羅夢(プロフ) - 各人物の心情が丁寧にかいてあり、とても感動しました。とても素晴らしく素敵な作品ですね! 登場人物達のキャラも確立しており、スラスラと読めてしまいました。更新停止なのは悲しいですが、気長に更新されるのを待ってます! (2020年8月2日 10時) (レス) id: 3455aa0540 (このIDを非表示/違反報告)
洩矢 - 翔べないペンギンさん» 個人的にこれで終わりだと思うけど…(お話的に) (2020年7月31日 7時) (レス) id: d012a94347 (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - え、ここで終わりですか……。非常に続きが気になります。3年も前のためもしかしたら別の所に移られているかもしれませんが続きを書いていただけたら嬉しいです。様々な人間模様にとても心を動かされました。とても素敵で最高の作品です。続きをどうか願っています。 (2020年7月25日 19時) (レス) id: 8712fe91c0 (このIDを非表示/違反報告)
モノクロ(プロフ) - 面白いです。更新頑張ってください! (2017年6月14日 23時) (レス) id: a0107e4e1a (このIDを非表示/違反報告)
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