これが恋だなんて信じないⅡ (ページ7)

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一人の人間ページ7

「すごい気になります！」

わくわくして玲夏さんを見つめると、自分のは話さないくせに全くこの子は……と言いたげな顔をされた。学生の頃は恋バナなるものはあまり聞かなかったから話を聞くのは楽しい。

「どっちから告白したんですか？」

「あっちから。共演したことがあって。まあ私も好きだったからよかったけど」

「へーなんかいいですねぇ。私告白されたことないですよ」

「Aちゃんのことだし、気付いてないのもありそうだけどね」

「ええ、そんな鈍感に見えます？」

「うん。好きってワードがないと告白認識しなさそう」

失礼だな、と心の中で思いながらも、自覚があったので言い返すのはやめておいた。

それにしても、俳優みたいな芸能人と付き合うにあたって気になるのは……バレて炎上などをしていないかだ。玲夏さんは匂わせとかするようなタイプじゃないとは知ってるけど…

「バレたりとかしてないんですか？」

「炎上とかはしてないよ。私も付き合う前はそれ心配だったなぁ。まあ色々考えた末、結局付き合って1年半くらい経つけど」

結構長いと思いながら相槌を打つ。私には、玲夏さんが何を伝えたいのかがまだわからなかった。

「でも、なんで付き合うことにしたんですか？」

「んーーだってさ、好きって気持ちを抑えるのってキツイもん。私たちは役者である前に一人の人間なのよ？仕事は大事だけど、こういうことも、大事にしたいなって」

「一人の……人間……」

「そ、Aちゃんももうちょっと自分の素直な気持ちに従ってみたら？」

同じようなことを以前、いくみんにも言われた。
わかってはいるけど…好きとは、なんなのだろうか

「人を好きになるってなんなんでしょうね」

「え、なん……あーいや、例えば、突然会いたくなったり、無意識にその人のこと考えてたり……まあ、その人と一緒にいたいって思うことじゃない」

玲夏さんは「なんで」と言いかけた。でも、何も聞かないのは私がそのことについて悩んでいるように見えたからだろうか。だからこんな話を？…全くこの人は

「はぁ……」

「身に覚えがある？」

「あったらなんなんですか……」

「私も話した甲斐があるじゃん。Aちゃんは自分を雑に扱うからね～もうちょっと自分を大事にしな。身体面でも精神面でも。…思ってるだけなら自由よ？」

2歳しか違わない玲夏さんが大人に見えた。

「あ、私めっちゃいいこと言ったことない？」

あぁ、台無しすぎる